剛くん
お誕生日
おめでとう
🎂
誕生月の二月は
あなたの魅力を
たっぷり味わいたい
ということで
引き続き
『数学の神様』
書かせてください
なかなか降りようとしない私を先生が怪訝な顔して振り向く。
イタタ…。
「どうした?」
「すみません。あの…先生、駐車場まで…行ってください」
「降りないの?」
「ちょっと…もう少し…」
「腹痛いの?」
あまり心配させちゃいけないけど、お腹が痛いのと、まだ告白できてないのとで、もう少しこのまま車の中でじっとしていたかった。
先生が校内の駐車場に車を止めて、運転席を降り、後部座席のドアを開けて、
「大丈夫?降りれないの?」
って覗き込んだ。
細かい雨が先生の髪とスーツを濡らしている。
私がお腹を抑えてシートの端に縮こまっているのを見ると、先生がもう一度キーを挿して、エンジンをかけた。
エアコンがついて温風が後部座席まで流れてくる。
先生は、また後部座席のドアを開けて、今度は私の隣に乗り込んだ。
シートが揺れる。隣に座ってるスーツ姿の先生が近い。
…ドキドキする。
「寒い?」
って言いながら、ジャケットを脱いだ。
濡れた制服の上から私に着せかけようとするから、先生のジャケットを心配して、
「ぬ、濡れちゃう…」
って拒んだら、
「じゃ…脱げよ」
って言って私を見た。
白いシャツだけになった先生が、眉間に皺を寄せて心配そうに私を見ている。
脱げよっていうのは制服のブレザーのことで…
別に変な意味じゃないのに
こんなに近くで言われて…。
じっと先生が私が脱ぐのを待ってる…。
私は、先生の前でブレザーを脱ぐのが妙に恥ずかしくなった。
「寒いんだろ?ちょっとあったまったら行けるかな…」
って腰を浮かせて、エアコンのスイッチに手を伸ばして全開にした。
ゴーッと音がして、先生が私の隣にまた座った。
ドサッと腰を下ろしたときに、ふわっと先生のいい匂いがした。
さっきより…近くなった気がする。
ドキドキしながら、私は冷たくなった指で、制服のブレザーのボタンを外した。