数学の神様 12 告白のタイミング | 上目遣いのけんちゃん先生 V6カミセン 小説

上目遣いのけんちゃん先生 V6カミセン 小説

V6の三宅健と森田剛と岡田准一をイメージしたイケメン教師が、今どきの女子高校生たちと繰り広げる学園ドラマ。ドラマの進行の合間に出てくるけんちゃん先生の古典講義は勉強にもなる?

「すみませんっ」

急いで先生の車の後部座席に乗り込んで、ハンカチを取り出し、一応その上に座りなおした。


「車、濡れちゃいます。先生」


「平気だよ」


ってチラッと私を見てから、アクセルを踏んだ。


「タイミングよかったな」


「…ありがとうございます。先生、今から学校ですか?」


「そ。午前中休み取ってたの」


「よかった。午後にして」


「朝で生徒がいっぱいいたら、お前だけ乗せるわけいかねーしな」


うん。確かに。色々タイミングよかったな。


先生が緩やかにハンドルを切る。


しばらくして、


「結果出たの?」


って聞かれて、


「は、はい。今日発表で、それで、先生に報告とお礼を言いに来たんです」


「…ってことは?」


指先で唇に触れる。


「合格しました。先生のおかげです」


「おお〜っ!やったじゃん!」


ルームミラーの中で目が合った。先生が嬉しそうに笑って、


「おめでとう」


って言ってくれた。


「ありがとうございます!」


私は、先生に教えてもらったのと同じような問題が出たことを話した。


合格の報告とお礼が済むと、もう車は学校の正門をくぐっていた。


先生が駐車場じゃなく、生徒の下足室前に車を止めてくれた。


「ありがとうございました」


ほんとはすぐ車を降りなきゃいけないんだけど、まだ…先生に聞いてほしいことが残ってるから…。


条先生が振り向いて、眉を上げる。


降りないの?って顔をしてる。


先生が視線を落として、


「…濡れてんなぁ」


「あ。すみません」


「いや、シートじゃなくて、スカート。着替えとか…ないよな?」


「だ、大丈夫です」


先生が視線を上げる。


「髪も…」



先生のキラキラした目で、制服や髪をじっと見られて…


ふたりきりの車内で、雨音だけが響いて…


だ…ダメだ。


すごくドキドキしてきた…。


どうしよう。告白するタイミング…って…今…だよね?