数学の神様 11 赤い車 | 上目遣いのけんちゃん先生 V6カミセン 小説

上目遣いのけんちゃん先生 V6カミセン 小説

V6の三宅健と森田剛と岡田准一をイメージしたイケメン教師が、今どきの女子高校生たちと繰り広げる学園ドラマ。ドラマの進行の合間に出てくるけんちゃん先生の古典講義は勉強にもなる?

条先生に合格の報告とお礼と…それから告白をするために、私は学校に向かっていた。

今は1、2年生の学年末考査中だから、生徒は午前中で帰ってしまう。

できるだけ、人がいない方がいいと思って、午後から出かけたんだけど…


傘を持ってくるのを忘れてしまった。


駅に着いたときは小降りだったから、走ればなんとかなるかと思ったんだけど、途中から雨脚が強まってきて…


しまった。駅のコンビニで傘を買えばよかった。


2月の雨は冷たくて、手袋をしてても、手がかじかんだ。


すると、走ってる私の横にスーッと赤い車が寄ってきて…


運転席の窓越しに、目が合った相手は…


条先生だった。


窓が開いて、先生が雨に顔をしかめながら、


「乗れよっ」


って言って車を止めた。


「い、いいんですか?でも…先生、車濡れちゃう…」


雨に濡れた制服を見ながら戸惑っていると、先生が後続の車を気にして振り向き、


「はやく」


って後部座席を顎で指し示した。