数学の神様 15 卒業したくない | 上目遣いのけんちゃん先生 V6カミセン 小説

上目遣いのけんちゃん先生 V6カミセン 小説

V6の三宅健と森田剛と岡田准一をイメージしたイケメン教師が、今どきの女子高校生たちと繰り広げる学園ドラマ。ドラマの進行の合間に出てくるけんちゃん先生の古典講義は勉強にもなる?


「大好きな先生に会えなくなるの…寂しいです」


私が泣きそうになってるからか、先生もちょっと眉を寄せて悲しそうな顔をした。


鼻の奥がツンとして…


ああ…泣いちゃう…。



「先生…私…卒業したく…ないっ…」


って俯いて鼻をすすった。



「ずっと先生の授業受けたいです…。高校卒業したくない…ずっとここにいたい…っ!ずっと、先生のこと…見ていたい…です」



顔を上げて先生を見る。



「一緒に勉強したり、話したり…」



先生のそばにいたい。



「私、ずっとこの学校の生徒でいたいです!先生の生徒で…っ…いたいです…!」



濡れたスカートをギュッと握って、そう言った。



先生は黙ってただ私を見つめ返している。


生徒に告白されても、先生にはどうしようもなくて…

だから、先生に対して、わがままな思いを吐き出してしまったことが、私は急に恥ずかしくなった。


スカートを握りしめたまま、俯く。



すると、先生が、




「ばぁか」




って言って、


私は、思わず顔を上げた。




{CBE792E4-0F26-40F8-88E8-5F701849FA4B}


「大学決まったのにさぁ、卒業したくないとか言ってんじゃねーよ」



「でも…」



「『でも』じゃなぁい」



「は、はい…」


「だいたい、俺も志望校もどっちも手に入れようなんて欲張り…」


「て、て、手に入れようとか思ってません‼︎そ、そんな…先生を手にい、入れるとか…そんなだいそれたこと…私はただ、ずっと先生の生徒でいたいって…」




「そんなの当たり前だろ」



「はい?」



「卒業したって、お前は俺の生徒だよ」



先生が急に真面目な顔でそう言った。



「ずっと、俺の生徒だ」



先生のまっすぐな瞳に、捕まる。



「なんかあったら、いつでもここに帰って来いよ」