カミセンのランバダ 10 健の愛 | 上目遣いのけんちゃん先生 V6カミセン 小説

上目遣いのけんちゃん先生 V6カミセン 小説

V6の三宅健と森田剛と岡田准一をイメージしたイケメン教師が、今どきの女子高校生たちと繰り広げる学園ドラマ。ドラマの進行の合間に出てくるけんちゃん先生の古典講義は勉強にもなる?

「先生と…踊りたかったんです」


「…うん」


あんな大好きオーラ出して迫って来られたら、そりゃ誰にだってわかる。

あそこで「降りろ」「嫌です」って揉めるのも、佐久間を見せ物にしてるみたいで嫌だった。


俺が好きだ。俺と踊りたい。


その思いだけで動いてしまう佐久間は、そんな自分が他人の目にどう映るかということを、瞬時に考えることができない。


喜怒哀楽の激しい佐久間の感情は、いつだって佐久間を冷静にはしてくれない。


他人から、空気が読めないとか自分勝手だとか、そう思われて(致し方ないことなんだけど)、凹む佐久間を何度も見てきた。



針が振り切れるほどの感情を、いつも持て余している。


コントロールの術が欲しくて悩んでるのは、周りの人間以上に、佐久間自身なんだ。


「先生と踊りたかっただけなんです」


佐久間がもう一度言った。


「わかってる」


もしも、ゆかりがいなければ、もっと佐久間に優しくしてやれたかもしれない。


「踊りに行きませんか?」


想いを込めて俺を見る佐久間の熱い眼差し…。


だが、それを跳ね返すだけの愛が、俺にはある。



「悪いけど、俺、奥さん以外の女性とは踊らないって決めてるから」