カミセンのランバダ 3 踊ってください | 上目遣いのけんちゃん先生 V6カミセン 小説

上目遣いのけんちゃん先生 V6カミセン 小説

V6の三宅健と森田剛と岡田准一をイメージしたイケメン教師が、今どきの女子高校生たちと繰り広げる学園ドラマ。ドラマの進行の合間に出てくるけんちゃん先生の古典講義は勉強にもなる?

去年の忘年会の二次会は、同じ学年の担任団だけで、いつものバーでやった。


80年代ブームの影響で、ランバダが最近また流行り出したとかいう話題になって…。

佐久間さんが知らないって言ったら、健くんが、

「知らない?そっか。知らないよな。俺もあんま知らないけど、何しろエロいダンス」


「エロいダンス⁇どんなのですか?」


って佐久間さんが目を輝かせ、


「踊ってください!踊ってください!」


って健くんの腕を掴んで揺さぶった。



「踊れるかなぁ…。あ、上野さん、ダンス専門でしょ?知ってる?ランバダ」


「え?し、知ってますけど…///」


条くんが、ジロッと健くんを睨んで、


「セクハラだぞ。健」


って呟いた。


「知ってるかどうか聞いただけじゃん。踊れなんて言ってないでしょ。一言も」


「踊って見せてくださーい!」

って佐久間さんが手を挙げた。


「あ、おまえ、セクハラ」

って健くんが佐久間さんを指差す。


「力関係、逆ですから大丈夫です」


「あのね、力関係が問題になるのは、パワハラ。セクハラはセクシャルなハラスメントだから…」


「踊れよ健」


「は?おまえ、今俺にセクハラっつったその口で…っ」


「見たいなぁ」


って俺も腕組みして健くんを横目で見た。


「でもあれ一人じゃ踊れねーだろ」


って健くんが言うと、


「はいはい!私、お相手します!教えてくれたら一緒に踊ります!」


「いよっ!おふたりさん!」


って条くんが盛り上げる。


「こらこらっ!酔っ払ってんな。条。それこそほんとにセクハラになっちゃうだろっ」


「大丈夫です!」


「大丈夫じゃねーよ。さっきのお前の理屈で言うとだなぁ…」


「大丈夫です!けんちゃん先生ならどんなにセクシャルでも、私、ハラスメントと感じませんから!」


「意味がわからないよ」


健くんが頭を抱えて、


「よし、わかった。じゃあ、踊ろう。はい、条!」


って条くんの肘を引っ張って椅子から立ち上がらせようとした。


「なんで俺なの」


って唇を尖らせる。



「じゃ上野さん」


って健くんが条くんの隣に座ってる上野さんに手を差し出すと、その手を条くんがパシッと掴んだ。


スツールから下りて、逆に健くんを引っ張って少しスペースのある場所に連れて行き、健くんと向かい合った。


「マスター、ミュージック!」


って健くんが言うと、マスターが首を振って苦笑した。

マスターと目が合って、俺が

「ランバダは置いてないって」

って言うと、健くんが剛くんに一歩近づいて、

「♪チャーララララ〜…」


って歌いながら目線を剛くんの腰のベルト辺りに落とした。


剛くんも目線を健くんの腰のあたりに落とした。

シルバーに光るふたりのベルトのバックルが触れ合って、カチャッ…と音がし、ふたりが上目遣いで見つめ合った。