カミセンのランバダ 4 セクハラです | 上目遣いのけんちゃん先生 V6カミセン 小説

上目遣いのけんちゃん先生 V6カミセン 小説

V6の三宅健と森田剛と岡田准一をイメージしたイケメン教師が、今どきの女子高校生たちと繰り広げる学園ドラマ。ドラマの進行の合間に出てくるけんちゃん先生の古典講義は勉強にもなる?

健くんは白のタートルに黒の革ジャン、条くんは白いシャツに黒のジャケットを羽織っていた。下はふたりとも黒の細身のパンツ。


そんな、たまたま似たような格好をしていたふたりが、ランバダを口ずさみながら、両手を繋ぎ、腰からお腹あたりまでを密着させた。


正面向いてそんなにくっつくと、もう唇まで触れ合う距離になっちゃうから、自然と顔をずらし、照れ臭いのかフフッと互いに笑って、少し上体を反らせて腰から上を離した。



繋いだ両手を高く上げ、腰をくっつけて、健くんが左右にくねくねと腰を振るのに合わせて、条くんも腰を振った。



まるでふたりの腰が磁石でくっついたみたいに少しも離れず、左右に同じ振り幅で同じ速さで滑らかに動く。

両手を上げてるから、短い革ジャンの裾が持ち上がって、白のカットソーをインした健くんの腰が背面からもあらわになった。


その腰つきのしなやかさ。


健くんは、わざと色っぽい女の人のように首を振ってサラサラと髪を揺らしていたずらっぽく条くんを見る。


条くんはそんな健くんをチラッと見て、面白そうにニヤッと笑った。

ジャケットの裾がゆらゆら揺れる。


即興とは思えないほどぴったりと息が合った動きに、俺たちだけじゃなく、周りのお客さんからも、拍手とどよめきが起こった。(落ち着いたこのバーで、こんな光景は未だかつて見たことがない。)




やがて、今まで健くんの動きに合わせてた条くんが、今度は自分から、左右の振りを前後に変えた。



条くんが腰を前に突き出すと、
健くんが腰を引き、

条くんが腰を引くと、
健くんがそれにくっついて腰を前に突き出した。


そして、また横振りの動きに変わる。


もはや、どっちがリードしてるのかわからないくらいに、ふたりの腰が揃って卑猥な動きをリズムよく繰り返す。


男も女もバーにいたみんながふたりのランバダに釘付けになった。



そのうち条くんが健くんの腰に腕を回して、グイッと引き寄せて自分の右腿に健くんを跨らせるようにしたから、健くんが肩をすくめ、


「わっ⁇…ちょ…っ!」


って眉尻を下げて笑って、条くんの体を手で押した。


条くんは笑いながら健くんから体を離し、健くんも髪をかきあげながら数歩下がって、ヘラヘラと笑った。



……。



なんなんだ?このふたり?


このイチャイチャを見せつけられた感…。



完全にセクハラだと思うぞ俺は!





いや、だからって俺も仲間に入りたかったわけじゃない。

断じてそうじゃない!



なのに…。






「まずは、腰だな。腰。腰の動きをマスターしろ」


って終礼後、第2体育館で、健くんが俺に向かって言った。


「条がお手本見せるから」


って言うと、条くんがちょっと口元に手をやってから俺の前に来て、こっちに背を向けて立った。