猫の認知症の症状と予防 | 猫の漫画とケモナーの漫画が見れるブログ

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・認知症の症状
11~14歳(人で言う60~72歳くらい)の猫の28%、15歳(人で言う76歳くらい)の猫の50%に、認知機能の低下が見られ、
18歳以上に特に認知症の発症は多いと言われているそうです。
認知症の主な症状として、
意味もなく同じところを行ったり来たりと部屋をうろついたり、
これまでちゃんとトイレできていたのが、急に粗相をするようになったり、
日中は寝てばかりで、夜にひどく鳴いたり、
眠りが浅く、目覚めやすくなったり、
ご飯を食べたばかりなのに、また欲しがったり、
飼い主さんへの呼びかけに応えなくなったり、などといったことがあげられます。


DISHA:
認知症の中でも多くの症例において、共通して見られるものを英語の頭文字を取って「DISHA(ディーシャ)」と呼ばれています。

〇"D"「Disorientation(見当識障害)」
空間の認知が変わったり、周囲の環境に対する把握に支障をきたしたりすることです。
これまで当たり前のように暮らしていた部屋や屋外で迷子になってしまったり、
飼い主さんのことがわからなくなったり、家の中を落ち着きなくさまよったり、障害物を避けられずにいたり、
よく知っているはずのものが認識できずに警戒したりするようです。


〇"I"「Interaction(社会的交流)」
人や他の動物との関わり方が変わってきた李、学習したことへの反応が低下したりすることです。
撫でられたときの反応が低下していたり、飼い主さんとの遊びやおもちゃへの興味が薄れていたり、
飼い主さんに異常につきまとったり、急に怒りだしたり、攻撃的になったり、
これまでちゃんと指示に従っていたことができなくなっていたり、など。


〇"S"「Sleep-wake cycle(睡眠サイクル)」
日中の睡眠時間が増え、夜の睡眠時間が減ることです。
就寝時間になっても寝ようとせず、夜中に歩き回って鳴いたり、日中の睡眠時間が延び、不眠と仮眠を繰り返したりします。


〇"H"「House soiling(不適切な排泄)」
排尿、排便がうまくできなくなってしまうことです。
トイレ以外の場所で粗相したり、睡眠場所で排泄したり、トイレサインが見られなくなったり、
突然排尿をしたり、排泄場所が変わったり、など。


〇"A"「Activity(活動性)」
何の目的もない行動が増え、ちゃんとした目的を持って行動することが失われていくことです。
物事に無関心になったり、探索行動が低下したり、
何もない場所をじっと見たり、噛みついたり、
人、物、自分の体を執拗に舐めたり、
あちこちうろつき、鳴きわめいたり、
食欲が増加したり、逆に低下したり、
人や騒音や場所に対して不安や恐怖心を抱いたり、など。


・認知症の原因
認知症は、脳の経年性変化(加齢変化)が最大の要因と言われています。
一度死滅してしまった脳細胞は再生しませんので、一度細胞数が最大量になると、あとは減るだけとなります。

また、ストレスも脳内の酸化物質の蓄積を促進させ、認知症を促進してしまうとされています。


・認知症以外の病気であることも
ただ、これらの症状は認知症に限らず、
何らかの病気が要因であることもあります。

たとえば夜鳴きは、ご飯を食べたのにそれを忘れてまた催促で夜鳴きしたり、
自分が今どこにいるかわからなくなって不安で夜鳴きする場合は、認知症の可能性がありますが、
目が見えにくくなったり、耳が聞こえにくくなったりして、不安で夜鳴きしたり、
飼い主さんの気を引きたくて夜鳴きしたり、
また、甲状腺機能亢進症の症状として夜鳴きすることもあるそうです。

飼い主さんが呼んでも反応しないことも、耳に異常があってよく聞こえていなかったり、体に異常があることも考えられます。

なので、「問診」、「身体検査」や「画像診断」による頭や口の中、首、背中、足、尻尾の先と、体全体の痛みの確認や、
「血圧」も測ってもらうのが良いそうです。


トイレの失敗の原因も、腎臓や膀胱の病気の可能性も考えられるので、
「尿検査」、「血液検査」、「画像診断」を受けてみましょう。
血液検査では、腎臓、肝臓といった内臓系の疾患や貧血の有無も調べてもらうと良いそうです。

猫ちゃんが7歳以上となれば、甲状腺機能亢進症の確認のため、甲状腺ホルモンに関連した測定も必要となるとか。



・認知症の症状が見られるようなら
自己判断はせず、まずは動物病院に相談してみましょう。
上記にあるように、認知症かと思っていても何らかの病気である可能性もあります。
自宅で猫の観察をするだけでは、認知症と病気の見分けは難しいことでしょう。


・認知症の治療
猫の認知症の研究は始められたばかりで、
明確な検査法や、治療薬は開発されていないそうです。
ただ、効果があるかもしれないとされている薬や療法はあるそうです。

薬物療法:
人の心の病にも使われる薬で「SSRI」と呼ばれるタイプの抗鬱薬があり、
このタイプの薬は脳内に神経伝達物質である「セロトニン」の量を増やすそうです。
猫も人も、セロトニンの減少で不安を感じたり、落ち着きがなくなると考えられているので、
このタイプの薬が有効ではないかと言われているようです。

ほかにも、「TCA」というタイプの薬もセロトニンを増やす作用があるそうです。

ただ、これらの薬には副作用が報告されているそうです。
自己判断で購入せず、必ず獣医師さんの指導のもとに投薬しましょう。


食事療法:
ビタミンEやビタミンCといった抗酸化物質や、
DHA、EPA配合のシニア猫用フードが、認知症の予防となると言われているそうです。

ほかにも、小さなペットボトルにドライフード一粒分が出るような穴を開けて、ドライフードを入れてキャップをし、
転がして遊びながらフードを食べるおもちゃや、
卵のパック容器にフードを入れ、猫にすくいあげさせるようなおもちゃなど、

知育玩具を使った脳トレも認知症予防となると言われています。
高齢になってからだと遊び方がわからないこともあるので、子猫のうちからこういった遊びをさせると良いそうです。



サプリメント:
抗酸化物質や、DHA、EPAの摂取のため、サプリメントを試すのも一つの方法かもしれません。
ただ、サプリメントの効果は、まだはっきりとして研究結果が出ていないようです。


ストレス軽減:
粗相をしても叱らず、嫌がることを無理強いせず、
高齢となって脳の機能や体力が衰えてしまった状態でも、無理なく過ごせるような環境にシフトしていくことが重要となります。

猫のストレスについて詳しいことはこちらの記事で↓
https://ameblo.jp/kemonowebcomic/entry-12605900928.html
高齢猫に合わせた環境づくりとケアについての記事はこちら↓
https://ameblo.jp/kemonowebcomic/entry-12612081318.html