猫にはちみつを与えるときの注意点と効果 | 猫の漫画とケモナーの漫画が見れるブログ

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はちみつは、ミツバチが花の蜜を採取して巣に持ち帰り、加工して貯蔵したものですが、
花の種類によって、色や味は異なってきます。
古くから、食用のほか、薬用やさまざまな用途に用いられてきました。
約72%は糖質、約21%は水分でできており、糖質のほとんどはブドウ糖(グルコース)と、果糖(フルクトース)です。
ほかにも、良質なビタミン類やミネラル類をはじめ、アミノ酸や酵素といった栄養素も豊富に含まれています。


・はちみつの栄養素
はちみつはとても甘いながらも、砂糖より低カロリーで、いろんな成分が含まれています。
ビタミン類は、ビタミンA、B1、B2、B6、葉酸(B9)、ニコチン酸(ナイアシン、B3)、パントテン酸(B5)、ビオチン(B7)、ビタミンC、K。
ミネラル類は、カルシウム、カリウム、鉄、銅、亜鉛、マグネシウム、ナトリウム、マンガン、リン、硫黄、ケイ素、塩素。
ほか、上記にあるようにアミノ酸、酵素、そして有機酸、ポリフェノールなどです。


・効果

口内炎:
猫の口内炎は、広範囲に及ぶことも多くひどく痛むので、ご飯も食べれなくなってしまうほどです。
口内炎の原因は、歯周病による細菌感染、ビタミン不足などの免疫力低下などです。

また、腎不全になると、腎臓の機能が低下し、体内の老廃物がうまく処理できず、血中の老廃物濃度が高まって尿毒症になり、
吐く息にアンモニアが含まれ、口腔内の粘膜がただれることで、口内炎になることもあります。

はちみつは、不足したビタミン補給、抗菌、抗炎症作用をもたらす可能性があります。
口内炎だけでなく、咳に関しても抗炎症作用があるかもしれません。

とはいっても、まだちゃんと効果があるのか証明されているわけではなく、効果にも個体差はあるので、
使用する前に、獣医師さんに聞いてみましょう。

※マヌカハニー
マヌカハニーとは、ニュージーランドのマヌカという植物の花の蜜から採れる希少なはちみつのことです。
ピロリ菌を死滅させるなど抗菌作用が強いと言われており、猫の口内炎や歯肉炎を和らげる効果があると言われています。
副作用がなく安全に与えられるので、口内炎治療に使われることは多いそうです。
ただ、やはり効果に個体差はあるようです。また、市販のはちみつより高値です。

猫の口内炎について、詳しいことはこちらの記事で↓
https://ameblo.jp/kemonowebcomic/entry-12609283291.html

腎不全について、詳しいことはこちらの記事で↓
https://ameblo.jp/kemonowebcomic/entry-12617382491.html


栄養補給:
上記にあるように、はちみつは栄養素が豊富ゆえに、
はちみつの栄養効果により毛づやが良くなるといった効果も期待できます。
ただ、砂糖よりも低カロリーといっても、糖分はやはり高いので、毎日与えるのは避けた方が良いですし、与えても少量が良いでしょう。

あんまり与えてしまうと、カロリー過多となり、血糖値が上昇して体に悪影響が出てしまいます。
特に糖尿病のある猫に与えると、インスリンレベルを上げてしまいます。
また、カロリーの高いはちみつを食べて満腹になり、キャットフードを食べなくなる恐れもあります。


薬を飲むのを嫌がるときに:
薬を飲むの苦手な猫も多いでしょう。
無理に飲ませようとすると、拒否反応で泡を吹き、次から薬を見るだけで泡が出てしまうなどということも。
また、あまりの薬の苦さに、よだれと泡が出てしまうことも。

そんなとき、薬を粉状にしてはちみつを混ぜ、それを猫の上顎に塗ります。
そうすると、上顎に張り付いたはちみつを取ろうと猫が舐めて、薬も一緒に飲み込むそうです。



・はちみつを与える際の注意点

量:
量は、耳かきの「一かき」程度です。
もしくは、鼻先や、口の粘膜に少しつける程度です。


はちみつの主成分は糖(炭水化物)です。
肉食である猫はタンパク質を主な栄養源としているので、炭水化物はさほど重要な栄養素ではありません。
また、糖の代謝能力に限界があり、糖を摂取しすぎると下痢を起こしたり、
代謝できずに高血糖が続くと、糖尿病のリスクや肥満を引き起こす恐れもあります。

キャットフードでしっかり栄養が摂れているのなら、無理に与える必要はありません。

※多量に与えると窒息の原因にも
はちみつは粘り気が強いので、人にしてみればスプーン一杯程度は楽に飲み込めても、猫にとっては十分に多量でうまく飲み込めず、
窒息してしまう恐れもあります。

はちみつを与える際は、耳かき一かき程度を上顎に塗って舐めさせましょう。


どんなはちみつを選ぶか:
はちみつには、
非加熱や加工をせず、果糖ブドウ糖が加えられていない「純粋はちみつ」、
精製加工され、ニオイや色などを取り除いた「精製はちみつ」、
純粋はちみつに果糖ブドウ糖を加えた「加糖はちみつ」があります。

精製はちみつは、本来の栄養素が失われてしまっている恐れがあります。
加糖はちみつは、猫には必要のない糖分がより多く入っていますので、この二点は避けましょう。

はちみつそのもののビタミン、ミネラルを摂取するには「純粋はちみつ」が良いでしょう。
また、花の種類により、含まれる成分や効能も変わってくるので、よく確認すると良いでしょう。
たとえ高価でも、検査をパスした正規のはちみつを選んだ方が良いでしょう。



与え方:
猫は、ベタベタしたものが顔や口につくと、舐めて綺麗にしようとします。
上記にあるように、この習性を利用して薬を飲ませることもできます。

素直に口を開けてくれる猫なら、上顎の裏に塗ることもできますが、
それが難しい場合は、口の周りに塗ると良いでしょう。
少し口を持ち上げて、歯茎に塗るのも良いです。



子猫に与える場合:
猫の場合も、人の場合も、生後1歳未満だとまだ消化器官が発達していないので、
はちみつに含まれることのある「ボツリヌス菌」の「芽胞(がほう)」という菌の卵・種のようなものが腸内で、発育・繁殖して毒素を出し、
「ボツリヌス症」を起こす恐れがあるので、はちみつを与えないようにしましょう。

※ボツリヌス菌
土の中、海、川などに分布している菌で、芽胞は低酸素状態に置かれることで発芽と増殖が起こって毒素が発生します。
ボツリヌス症になると、歩けなくなったり、自力で排尿・排便ができなくなったりします。

日本国内で販売されているはちみつの、約5%にボツリヌス菌がいると言われています。
ボツリヌス菌は、100℃で2分程度加熱することである程度不活化されるそうですが(完全ではありません)、
はちみつを加熱してしまうと、栄養素も破壊してしまいます。

成猫でも、初めて猫にはちみつを与える際は(はちみつ以外でも)、与えた後に様子を見られるときにしましょう。
はちみつを食べた後に何らかの症状が見られるようなら、動物病院に行って、いつ頃、どれくらい食べたか伝えましょう。


成猫に与える場合:
1歳~7歳、体重3~5kgの健康な成猫の場合、腸内環境も整っているので、与えても問題ないでしょう。
与えすぎには注意。耳かき一かき分くらいにとどめましょう。

肥満気味の猫の場合、糖尿病などの病気につながる恐れがあるので、与えないようにしましょう。


高齢猫に与える場合:
7歳以上の猫の場合、消化器官が弱っていたり、免疫力が低下しています。
与えてはいけないというわけではありませんが、わざわざ与える必要もないでしょう。
与えるなら、ほんの少量にとどめましょう。


・アレルギーに注意
はちみつには、微量の花粉が含まれていることもあり、食べることでアレルギーを起こす恐れもあります。
食べさせるはちみつが、何の植物の蜜から作られているか、確認しておきましょう。

アレルギー症状として、下痢、嘔吐、痒み、目の充血、元気がなくなることがあります。
症状が見られるようなら、すぐに病院へ。
アレルギー症状が出たのなら、もう与えない方が良いでしょう。

※グラヤノトキシン
グラヤノトキシン(grayanotoxin)はツツジ、サツキ、シャクナゲ、アザレアなどロドデンドロン属の花の蜜に含まれる神経毒の一種です。
これらの花の蜜を原料とするハチミツは「マッドハニー(mad honey)」とも呼ばれており、
大量に摂取してしまうと、吐き気、嘔吐、麻痺、徐脈、低血圧、心停止を引き起こす恐れがあります。

※ツチン
ツチン(tutin)はニュージーランド原産の低木「tutu」が産出する天然神経毒の一種です。
「パッションヴァインホッパー」と呼ばれる昆虫がこの木から花の蜜を吸い取った後、
ミツバチが昆虫の分泌液を採取すると、危険量のツチンがハチミツ内に含まれてしまう恐れがあります。


・ハチミツ以外のもの

メープルシロップ:
砂糖楓の樹液を採取して、濃縮したものが主成分のシロップです。
はちみつよりも、カルシウム、マグネシウムが多く、カロリーは低いです。
はちみつ同様、少量なら与えて問題ないですが、与えすぎると糖質、カロリーを摂りすぎてしまうので注意。


ヨーグルト:
ヨーグルトには乳糖が含まれており、「乳糖不耐性」という乳糖を分解する酵素を持っていない人や動物が食べてしまうと、
消化不良を起こし、下痢を起こしてしまいますので、与えない方が良いでしょう。
与える場合は、猫用のヨーグルトを。
人用のヨーグルトはあまり与えない方が良いですが、与えるのであれば低脂肪の無糖のものを少しだけ。