ケルリズム

ケルリズム

ケルピィの頭の中、公開します。

「ケルちゃんありがとねー、こんな中わざわざ遠いところまで。本当に感謝しかないです。ありがとう。」

棺に入ったリュウヘイさんが今にも起きて、申し訳なさそうに言う気がしました。会場いっぱいに埋め尽くされた花輪と、会場に入りきれず待合室まで並べられた椅子に座る参列者に見送られ、生前も仏のように優しかったリュウヘイさんは仏に・・・いや律儀なリュウヘイさんだから、きっとまだ四十九日まで最後に会えなかった人たちに挨拶して回ってるんだろうな、と思います。

私が最初にリュウヘイさんとちゃんとお話しできたのは今からおよそ7年前。私のアルバムのリリースパーティーのゲストDJとしてお招きしたいと電話でお話しした時でした。イベントで複数DJがいるときのゲストDJといえばいわゆる目玉。でもほとんど無名の私が国内外で活躍するRYUHEI THE MANに突撃で依頼なんかして果たして受けてくれるんだろうか、とかなり緊張していたのを覚えています。私が出ていただけないでしょうか、と聞いたところで、3秒くらい間があって、少し驚いたような、疑うような口ぶりで、「僕なんかでいいんですか」と言われて、あまりの腰の低さに虚を突かれました。それからリュウヘイさんのイベントに遊びに行った時も、リュウヘイさんが自身のAT HOME SOUNDレーベルから私の曲を7インチカットしたいと言ってくれた時も、いつでもその謙虚さと温かさと気遣いに溢れる人柄が揺らぐことはありませんでした。リュウヘイさんが「ケルちゃん、最高だよ」と満面の笑みで言ってくれると、自分でも行けるかもと勇気が湧いてくる、とびきりのハイプマンでした。

その人柄やDJプレイの素晴らしさはさることながら、AT HOME SOUNDを立ち上げた2018年から、「コンスタントに」という言葉もたじろぐほど、熱烈に数々のリリースを重ねていました。まだまだ、これからたくさんやろうと思っていたことがあっただろうに。リリースしたい曲があっただろうに。46歳で逝ってしまうなんて、若すぎます。いつか私の地元の熊本にも、ライブとDJしに一緒に行こうねと話していたのに。いろんな人との、「いつか」がたくさんあったと思います。

触れる人の心をぽかぽかに温めてくれたリュウヘイさん。そのせいか、いつも汗だくだったリュウヘイさん。かけた曲にフロアがぶちあがりしてるのを見て、少し満足げに次のレコードを探しに行ってたリュウヘイさん。ダジャレぎりぎりの言葉遊びでイベントやリリースの告知をしていたリュウヘイさん。完全なダジャレをぶちかましていたリュウヘイさん。レコードの溝のように、確かにこの世にその存在を刻んだオンリーワンなリュウヘイさん。大好きな大好きなDJ、そして先輩でした。とっても忙しくされてたと思うから、ゆっくり休んでくださいね。そしてあの世でも、替えのTシャツ用意して汗かきながらフロアを熱くしてやってくださいね。

 

WE LOVE MUSIC

WE LOVE THE MAN

 

Yesterday I said my last goodbye to one of Japan’s most phenomenal DJs of all time, a passionate and prolific label director, and an unbelievably humble and gentle human being that lived up to his moniker, THE MAN. My first real interaction with any substance with Ryuhei-san was when I asked him if he would be a guest DJ for my album release party. Being the renowned DJ he was, I was nervous if he would even consider such an offer from a nobody like me, but caught me completely off guard when after pausing for a few seconds he said in a somewhat astounded, hesitant tone, “Are you sure I’m enough of a headliner?” His humility, kindness and consideration for others stayed constant throughout all my memories of him and never swayed. He was an incredible hype man too­—when he smiled ear to ear and said “You’re the best Kel-chan” it made me feel I was in fact the best.

Within this short period since he founded his label AT HOME SOUND in late 2018, he released so many records and mixes that even the word “constant” would be dumbfounded: over 50 releases, many of which were immediately sold out, as did my first and only 7 inch record “MirrorSoul.” 46 is too young. There must’ve been so many more to come, so many things he wanted to do. I didn’t even get to chance to bring him to my hometown Kumamoto to sing with him on the ones and twos.

He touched the heart of anyone who would cross paths with him. He was truly a beacon of light and an irreplaceable force in the community that left an indelible mark. It will take long if not forever for all of us to recover from this huge loss. Rest well my man. Heaven will be lucky to have you, I can’t wait to dance to your DJing again someday.

コラボレーション

[名](スル)異なる分野の人や団体が協力して制作すること。また、制作したものをもいう。共同制作。共同事業。共同研究。協業。合作。コラボレート。コラボ。「部門を越えてコラボレーションすることで新しい発想の商品を生み出す」

ー大辞泉より

 

昨今、色んなアーティスト同士とのコラボレーションや、アーティストと企業のコラボレーション、アートと音楽のコラボレーションなど、右を向いても左を向いても何らかの形のコラボレーションは目にするようになりました。

でも、「ダンス」と「食」のコラボレーション、と聞いた時に、正直全くイメージがつかなかった私。

ライブが観れるダイニングとか、曲をイメージしたカクテルやアーティストのリクエストによって創作されるメニューはわかる。

でも、ダンスと食のコラボって、ダンスの公演を観ながら食事をするのか…?

想像してもしょうがないのでまっさらな状態で公演にお邪魔したのですが、見事に期待を裏切られ、思いもよらない臨場感に、激しく心が揺さぶられました。

週末HANNOは、飯能の古民家を借りて、「あの日の思い出」を食とともに表現する、他では観たことも聞いたこともないダンス公演。有名な演出家や豪華キャストなんてついていないけど、間違いなく新しいオリジナリティのある公演でした。

 

本日、心配されていた台風は逸れ、季節外れの晴天猛暑。駅からのマイクロバスから古民家に着くと、「ガイド」たちによるお迎えのダンス。

観客はいくつかのグループに分かれ、「甘い」初恋の思い出、「手塩にかけた」末の収穫物、「苦い」失敗を経て今の自分があるよね、と、それぞれの経験を慈しむように思い起こす小旅行にトリップします。

舞台は古民家の各部屋、近くの畑の傍ら、少し歩いた川べり。そのステージ一箇所一箇所で、その地域で採れた野菜を使った料理などが提供され、ダンスを堪能すると、次の会場へと「あまみちゃん」「しおみちゃん」「にがみちゃん」がそれぞれ旗を掲げて、観客をいざないます。

不覚にもエモーショナルな演出にぐっと来て、目頭が熱くなる場面や、涙がこぼれてしまう場面も。感情と味はよくリンクされるけど、飯能の自然に寄り添いながら、こんなにも短時間で満たされた気持ちになりました。

 

フィナーレでは、ダンサーたちが踊る奥で、料理の仕上げをする料理人が。

 

料理はどれも手間をかけているのがわかる、体が喜ぶ野菜たっぷりのメニュー。美味しかった。

 

次回作はまだ決まっていないらしいのですが、明日最終日、まだ少し席があるそう。

チケットの入手は↓こちら

https://passmarket.yahoo.co.jp/event/show/detail/01npa1zqicu6.html

 

是非興味がある方は行ってみてほしいし、これからの活動に期待したいです!

https://www.facebook.com/dramaticdining/

 

私はよくライブに行く。
家や移動中にじっくり聴く音楽も大好き。
だけど、ライブは本当に全く別だ。
この日は改めてそう感じた。

アメリカ西海岸のギャングスタラップの立役者でもあるDr. Dreが、ある意味自叙伝的な映画を公開した2015年、

「サウンドトラック」として発売したオリジナルアルバムに6曲も名を連ねたラッパー、Anderson .Paak。

ラップだけではなく、ドラムも叩くし歌も歌う。

Anderson .Paak & The Free Nationalsとしてフジロックに出演した翌々日の単独ライブ。
 

ステージ右にはシンバルが多めのドラムセット。後ろにはターンテーブル、ベースとギターとキーボードもいる。

スクリーンにAnderson .Paak & The Free Nationalsと映し出されると、Come Downのトラックが流れAnderson .Paakが出てきた。

マゼンタ色のドゥーラグに、マゼンタ色のジージャンと、マゼンタ色の腰で折り曲げたオーバーオールの内側にはGUESSと書いてある。

マルチボーダーのTシャツもGUESSだ。

GUESSって。

懐かしすぎやしないか。

しかも、ドゥーラグ(90~00年代のラッパーたちが頭に巻いてたポリエステルの頭巾。頭巾…笑)よ。懐かしすぎるわ。

プチョヘンザさせた客は爆沸き。

そのままBubblinまで一気に走り抜けると、ドラムの方へ。Bubblinのアウトロだけ、ドラムをバカスカ叩いてまたステージ中央へ。

もうこの時点でかっこよすぎて客一同の心が完全に持っていかれてる。

曲によって、叩きながらラップしたり、歌ったり、

テレビでやってる試合のCM中にトイレに行くような身軽さで間奏だけドラムを叩きに行ったり、踊り狂ったり。

なんつー器用さ、そして自由さ。なのにどこを切り取ってもかっこいい。

GUESSにマゼンタのドゥーラグなのにかっこいい。

途中で、「そこのフロアを開けてくれ」というとステージ真ん前の中央の観客がモーゼの十戒みたいに分かれ、

客の中にいたBBOYが踊り始めた。しばらくその状態が続くと、

せき止められた両側の水が流れ込んでぶつかるところで波が割れるように、モッシュが始まった。

Put me thruのサビの度に、客がぴょんぴょん飛び跳ね、モッシュになり、あたりがむせ返るような男の汗の熱気に包まれる。

時折誰かのピーチミント的なさわやかな香りが流れてくる。

みんながYES LAWD!!(彼とKnwledgeのデュオNxWorriesのアルバム名でもあり、色んな曲中でシャウトする言葉)と叫んでいる。

 

すると、Heart don’t stand a chanceでステージはメロウなコーナーに。

既に1年分くらいの飛んだり跳ねたりを終えたあたしは、心地よい横揺れにドーパミンがドバドバ出てきてるのを感じた。

これだよ。

これは聞くだけじゃ味わえないんだ。アーティストと他の客と一体になって、脳内麻薬がばんばん放出される感じ。

目の前の口から吐き出される言葉が、弦やスネアを弾く音が、ビリビリと肌に波打つ感じ。

アーティストが、自分の音楽に興奮する観客と、呼吸を交換する感じ。

生に勝るものはないよ。

煮魚より刺身だよ(煮魚もいいけどさ。新鮮なら刺身食べたいじゃん)。

そしてアルバムVENICEからMiss Right!!!!! 気持ち良すぎる。

数曲あたしは、にへら~とだらしない顔をしてゆらゆらしていたに違いない。

しかしこの横揺れメロウな合間にも激しいドラムソロが入ったりして、この緩急のつけ方よ。ドラムうますぎるし。

しれっとスティック回したりしてるし(ペン回しみたいなやつ)。

客が少し静かになると、”Tokyo are you still there (みんな、まだそこにいるか?)”と客がちゃんとついてきてるか何度も確認する。

 

最後の数曲の前に、”I wanna say something real simple, you all made my dreams come true. 

(シンプルに言うけど、みんなが俺の夢を叶えてくれた)”とファンたちに感謝した。

さっきからライブの醍醐味を強調しすぎかもしれないけど、ライブは見てる人だけじゃなくて、演奏してる側も元気もらうんだよね。

だって、初めて行く国の人たち(Anderson Paakは初来日ではないけど)が、自分の曲を一緒に歌ってくれて、

自分の出す音に熱狂するのを見るのって、本当に代えがたい感動だし死ぬほど嬉しいと思うのよ。

何万回再生されてるっていう数字を見るのも嬉しいけど、目の前に大勢の人たちが集まってくれてる光景には単純に圧倒される。

だから、「生であのアーティストを見たい!」っていう観客の視点だけじゃなくて、

「沢山聴いてるし、愛されてるんだって知ってほしい!」っていう、アーティストに愛を還元する視点でもライブに行けたらすごくいいなぁと思う。

アーティストには間違いなくそれが活力になる。

あたしは幸運にもステージのこっち側とあっち側を体験できるから、両方の気持ちでなるべくライブには行くようにしてる。

 

Luh Youの ”I think I love you”でコールレスポンスを繰り返してライブは終わった。

ほどなくアンコールで出てきて、Dreamerを一曲やってカーテンコール。完膚なきまでのステージ。

最高というと陳腐だが最高以外の言葉が見つからないライブだった。

写真は会場で会ったDino Jr.がオフィシャルかと見まがうようなパーペキなショットを撮っていたので拝借。Dinoありがとうね。

 

 

ライブ後にスタッフがドラムスティックを何本も客に投げてたんだけど、セットリストが巻き付けてあるスティックを華麗にジャンプキャッチしてたとても背が高い男性を帰りの駅で見かけたので、セットリストを撮らせてもらった。正確には、その人と一緒にいたプチサイズのチャーミングな女性に撮らせてもらった。ありがとう。