ライブレポート:2018/7/31 Anderson .Paak@豊洲PIT | ケルリズム

ケルリズム

ケルピィの頭の中、公開します。

私はよくライブに行く。
家や移動中にじっくり聴く音楽も大好き。
だけど、ライブは本当に全く別だ。
この日は改めてそう感じた。

アメリカ西海岸のギャングスタラップの立役者でもあるDr. Dreが、ある意味自叙伝的な映画を公開した2015年、

「サウンドトラック」として発売したオリジナルアルバムに6曲も名を連ねたラッパー、Anderson .Paak。

ラップだけではなく、ドラムも叩くし歌も歌う。

Anderson .Paak & The Free Nationalsとしてフジロックに出演した翌々日の単独ライブ。
 

ステージ右にはシンバルが多めのドラムセット。後ろにはターンテーブル、ベースとギターとキーボードもいる。

スクリーンにAnderson .Paak & The Free Nationalsと映し出されると、Come Downのトラックが流れAnderson .Paakが出てきた。

マゼンタ色のドゥーラグに、マゼンタ色のジージャンと、マゼンタ色の腰で折り曲げたオーバーオールの内側にはGUESSと書いてある。

マルチボーダーのTシャツもGUESSだ。

GUESSって。

懐かしすぎやしないか。

しかも、ドゥーラグ(90~00年代のラッパーたちが頭に巻いてたポリエステルの頭巾。頭巾…笑)よ。懐かしすぎるわ。

プチョヘンザさせた客は爆沸き。

そのままBubblinまで一気に走り抜けると、ドラムの方へ。Bubblinのアウトロだけ、ドラムをバカスカ叩いてまたステージ中央へ。

もうこの時点でかっこよすぎて客一同の心が完全に持っていかれてる。

曲によって、叩きながらラップしたり、歌ったり、

テレビでやってる試合のCM中にトイレに行くような身軽さで間奏だけドラムを叩きに行ったり、踊り狂ったり。

なんつー器用さ、そして自由さ。なのにどこを切り取ってもかっこいい。

GUESSにマゼンタのドゥーラグなのにかっこいい。

途中で、「そこのフロアを開けてくれ」というとステージ真ん前の中央の観客がモーゼの十戒みたいに分かれ、

客の中にいたBBOYが踊り始めた。しばらくその状態が続くと、

せき止められた両側の水が流れ込んでぶつかるところで波が割れるように、モッシュが始まった。

Put me thruのサビの度に、客がぴょんぴょん飛び跳ね、モッシュになり、あたりがむせ返るような男の汗の熱気に包まれる。

時折誰かのピーチミント的なさわやかな香りが流れてくる。

みんながYES LAWD!!(彼とKnwledgeのデュオNxWorriesのアルバム名でもあり、色んな曲中でシャウトする言葉)と叫んでいる。

 

すると、Heart don’t stand a chanceでステージはメロウなコーナーに。

既に1年分くらいの飛んだり跳ねたりを終えたあたしは、心地よい横揺れにドーパミンがドバドバ出てきてるのを感じた。

これだよ。

これは聞くだけじゃ味わえないんだ。アーティストと他の客と一体になって、脳内麻薬がばんばん放出される感じ。

目の前の口から吐き出される言葉が、弦やスネアを弾く音が、ビリビリと肌に波打つ感じ。

アーティストが、自分の音楽に興奮する観客と、呼吸を交換する感じ。

生に勝るものはないよ。

煮魚より刺身だよ(煮魚もいいけどさ。新鮮なら刺身食べたいじゃん)。

そしてアルバムVENICEからMiss Right!!!!! 気持ち良すぎる。

数曲あたしは、にへら~とだらしない顔をしてゆらゆらしていたに違いない。

しかしこの横揺れメロウな合間にも激しいドラムソロが入ったりして、この緩急のつけ方よ。ドラムうますぎるし。

しれっとスティック回したりしてるし(ペン回しみたいなやつ)。

客が少し静かになると、”Tokyo are you still there (みんな、まだそこにいるか?)”と客がちゃんとついてきてるか何度も確認する。

 

最後の数曲の前に、”I wanna say something real simple, you all made my dreams come true. 

(シンプルに言うけど、みんなが俺の夢を叶えてくれた)”とファンたちに感謝した。

さっきからライブの醍醐味を強調しすぎかもしれないけど、ライブは見てる人だけじゃなくて、演奏してる側も元気もらうんだよね。

だって、初めて行く国の人たち(Anderson Paakは初来日ではないけど)が、自分の曲を一緒に歌ってくれて、

自分の出す音に熱狂するのを見るのって、本当に代えがたい感動だし死ぬほど嬉しいと思うのよ。

何万回再生されてるっていう数字を見るのも嬉しいけど、目の前に大勢の人たちが集まってくれてる光景には単純に圧倒される。

だから、「生であのアーティストを見たい!」っていう観客の視点だけじゃなくて、

「沢山聴いてるし、愛されてるんだって知ってほしい!」っていう、アーティストに愛を還元する視点でもライブに行けたらすごくいいなぁと思う。

アーティストには間違いなくそれが活力になる。

あたしは幸運にもステージのこっち側とあっち側を体験できるから、両方の気持ちでなるべくライブには行くようにしてる。

 

Luh Youの ”I think I love you”でコールレスポンスを繰り返してライブは終わった。

ほどなくアンコールで出てきて、Dreamerを一曲やってカーテンコール。完膚なきまでのステージ。

最高というと陳腐だが最高以外の言葉が見つからないライブだった。

写真は会場で会ったDino Jr.がオフィシャルかと見まがうようなパーペキなショットを撮っていたので拝借。Dinoありがとうね。

 

 

ライブ後にスタッフがドラムスティックを何本も客に投げてたんだけど、セットリストが巻き付けてあるスティックを華麗にジャンプキャッチしてたとても背が高い男性を帰りの駅で見かけたので、セットリストを撮らせてもらった。正確には、その人と一緒にいたプチサイズのチャーミングな女性に撮らせてもらった。ありがとう。