2024年7月の読書記録 その1 | ゆるゆるな毎日

ゆるゆるな毎日

水曜どうでしょうやマンホール、キリスト看板などの趣味に走りすぎた日々を綴っています。

7月は28冊読みました。

 

再読本もあり、ペースが上がると思いきや、

 

Ubiソフトの「アサシンクリード シャドウズ」と

 

トーマス・ロックリー氏の「弥助」問題を確認すべく、

 

ロックリー氏の著書を繰り返し読み直したりしていたため、

 

読みたい本をあまり消化できずに終わりました。

 

そしてロックリ氏の質の悪いノンフィクションを読んで

 

消化不良を起こした反動からか、良質のノンフィクションを沢山読んだ月でした。

 

7月分は2日に分けて記録しようと思います。

 

 

信長と弥助 本能寺を生き延びた黒人侍 ロックリー・トーマス

こちらの本の考察と感想は7月18日に

 

トーマス・ロックリー氏の「信長と弥助 本能寺を生き延びた黒人侍」を読んでみた

 

に書いたので、再び書くことはしません。

 

ありえないマイナス評価のお勧め度が気になった方は、そちらをご覧ください。

 

お勧め度:★★★★★ -5.0

 

 

危険地帯潜入調査報告書 丸山ゴンザレス&村田らむ

漫画家の村田らむさんが危険地帯ジャーナリストの丸山ゴンザレスさんから話を聞き、

 

様々な体験を漫画にした1冊。

 

丸山さん、村田さんそれぞれのコラムもあり、

 

色々な国のアブナイ話を堪能できます。

 

また最後の方に村田さんが取材した国内の事故物件のページもあり、

 

毛色の違うルポが2種類楽しめる本でした。

 

お勧め度:★★★★ 4.5

 

 

ある行旅死亡人の物語 武田惇志、伊藤亜衣

事件のネタを探すため、定期的に官報の行旅死亡人データベースにアクセスしている

 

共同通信大阪社会部の記者である武田惇志氏は、

 

34,821,350円を所持して亡くなり、

 

行旅死亡人所持金ランキング1位となっている尼崎市の女性のデータを見つけ、

 

同僚の伊藤亜衣記者と共に、彼女の身元を調べ始める。

 

装丁が可愛らしく、小説のようにも見えますが、

 

列記としたノンフィクションです。

 

彼らが身元不明の女性の身元を突き止めるために、

 

既に警察や担当弁護士が雇った探偵が調べた角度とは別の角度から調査を始め、

 

次々に浮かび上がる謎や調査の過程にドキドキしなが一気読みしてしまいました。

 

下手なミステリーよりも面白い、事実は小説よりも奇なりを地で行く一冊でした。

 

お勧め度:★★★★ 5.0

 

 

万能鑑定士Qの事件簿Ⅱ 松岡圭祐

万能鑑定士シリーズ第2弾。

 

再読。

 

飯田橋の雑居ビルに卑怯な手段で入居した

 

イオナ・フーズによる侵入盗を暴いた凜田莉子と週刊角川の記者の小笠原。

 

それが偽札によるハイパーインフレに繋がる幕開けだった。

 

混乱する経済、日本円の価値が下がり、数十倍にも跳ね上がる物の値段など、

 

実際にその混乱に巻き込まれたような気持ちになりつつ読み進めました。

 

どうやったら、この騒動を納めることができるのか…。

 

結末は知っているものの、展開の見事さを久しぶりに味わいました。

 

お勧め度:★★★★ 4.5

 

 

我が家の問題 奥田英朗

新婚なのに家に帰りたくない夫。

 

夫が会社のお荷物なのではないかと気づいてしまった妻。

 

母と間違えて話し出した祖母の電話で、

 

両親が離婚をしたがっていると知ってしまった娘など、

 

6つの家庭の出来事が描かれた短編集です。

 

私は最初の新婚の夫の気持ちを描いた「甘い生活?」が一番共感できました。

 

お勧め度:★★★★ 4.0

 

 

東京駅をつくった男 日本の近代建築を切り開いた辰野金吾 大塚菜生

辰野金吾の幼少期から晩年までを綴った児童向けの伝記。

 

金吾の偉大な業績を崇めるだけでなく、

 

彼の欠点や苦悩などもしっかり書かれていたのが良かったです。

 

激動の時代を生き抜き、官軍となった聴衆出身の片山東熊に出し抜かれ、

 

それでも腐ることなく努力を続け、

 

日本の近代建築の基礎を作った金吾の人生に触れることが出来ました。

 

この本を読んだ上で盛岡の岩手銀行赤レンガ館を再訪し、

 

金吾や弟子の葛西萬司が引いた図面をもう一度見たくなりました。

 

お勧め度:★★★★ 5.0

 

 

おもしろすぎる鉱物・宝石図鑑 さとうかよこ

姿が面白い鉱石、すごい特徴を持つ鉱石など、

 

43種類の鉱石と、誕生石が紹介されています。

 

児童書なので分かりやすい一方、化学組成式や劈開、

 

モース硬度なども明記されていたので、

 

地学好きの大人が読んでも楽しめると思いました。

 

お勧め度:★★★★ 4.0

 

 

老いた親へのイラッとする気持ちがスーッと消える本 榎本睦郎

同じ話を何度もくり返す、些細なことで突然怒り出すなど、

 

老いた親の行動についての解説や、そんな時の良い対処法が載っている一冊。

 

私も母に対して感じることが沢山載っていて、

 

そういう時の正しい対処を知ることが出来て良かったです。

 

あとは実戦するのみ。

 

イラッとしたら言葉や行動に出す前に、

 

この本で学んだことを思い出そうと思います。

 

そしていずれは自分も行く道。

 

母のようにならないよう、気を付けたいと思いました。

 

お勧め度:★★★★ 4.5

 

 

誇り高き週末 赤川次郎

殺害計画のために天気予報を気にする水沼。

 

社内を盗聴し、社員の本音を聞いて楽しんでいる越谷。

 

70歳で莫大な資産を持つ柳原一馬が28歳の女性と再婚すると聞き、

 

複雑な思いで花嫁をお披露目するパーティーに集まる親族たち。

 

3編の週末にまつわる短編が収録されています。

 

数十年ぶりに赤川次郎を読みましたが、ミステリーでも、

 

やさしい書き方をする作家さんだったことを思い出しました。

 

お勧め度:★★★★☆ 3.5

 

 

遺品整理屋は聞いた! 遺品が語る真実 吉田太一

日本で初めて遺品整理の会社「キーパーズ」を立ち上げた著者が、

 

これまでに遭遇した遺品や遺族のことをまとめた一冊。

 

携帯電話、誰にも見せるつもりもなく書き残したノートなどから、

 

故人の不倫や孤独などを遺族が知ってしまったり、

 

人に見られたくないであろう遺品を遺族の目に入る前に隠したりと、

 

負の遺産がある一方、故人との思い出に繋がるものを遺族に渡したりと、

 

様々な物語を垣間見ることができました。

 

中でも孤独死や自殺者の部屋の遺品整理の壮絶さに言葉を失いました。

 

亡くなった後の遺品整理は自分ですることはできません。

 

誰かの手を借りることになることを心に刻み、物を溜め込んだりせず、

 

残されて困るようなものはきちんと処分しようと思いました。

 

お勧め度:★★★★ 4.0

 

 

やってみた! 研究イグノーベル賞 五十嵐杏南

人々を笑わせ考えさせた研究に与えられるイグノーベル賞。

 

その82本の研究を分かりやすく紹介した一冊。

 

不名誉な賞ではなく、生活に役立てられている研究も数多くある一方、

 

クスッと笑ってしまうことを一所懸命追及している研究も多く、楽しい本でした。

 

お勧め度:★★★★ 4.0

 

 

パキスタンでテロに遭いました 野上あいこ

ジブリ映画の「風の谷のナウシカ」のモデルとなったと噂されている

 

パキスタンのフンザの谷の春の景色を見るため、

 

友人を通じてホームイティ先を探し、イスラマバードに降り立った筆者。

 

ホストファミリーと過ごした後、いよいよフンザに向けてバスの旅が始まったが、

 

その途中でテロに遭遇してしまった。

 

イスラム地域で実際にテロに遭遇した若い女性の体験記です。

 

緊迫感や、彼女の体験した恐怖、苦労は伝わってきましたが、

 

その前に、イスラム圏では当たり前とされている

 

女性が髪を隠すヒジャブなどをしていなかったり、

 

女性1人での外出があり得ないとされている国で、

 

一人旅を決行したことが無謀だと思いました。

 

彼女も大変な思いをし、

 

周囲に気を配ったり御礼を伝えたりする余裕がなかったようですが、

 

救出のために見えない場所で奮闘してくれた日本大使館や

 

パキスタン軍の人々のことも少し考えてほしかったと思いました。

 

パキスタンのことを

 

どうしようもない危険地帯と考えないでほしいと結んでいましたが、

 

彼女のような無謀な女性の一人旅は慎むべきだという教訓になる一冊だと思いました。

 

お勧め度:★★★★☆ 3.5

 

 

朝が来る 辻村深月

幼稚園から息子の朝斗が、同じマンションに住む友達を

 

ジャングルジムから突き落としたと連絡が来た。

 

「やっていない」と言う息子。

 

小さなトラブルに戸惑いつつも対処する佐都子と清和。

 

その矢先、朝斗を返して欲しいという電話が掛かってくるのだった。

 

不妊治療の末、特別養子縁組を選択した夫婦と、

 

望まぬ妊娠をしてしまったひかりの過去と現在が描かれていきます。

 

不妊治療の辛さや、無知故にトラブルに巻き込まれ、

 

人に頼れずに転落していく様子など、リアルに感じる描写が多く、

 

読んでいて辛い部分も多かったです。

 

しかし読後感は良かったです。

 

お勧め度:★★★★ 4.0

 

 

万能鑑定士Qの事件簿Ⅲ 松岡圭祐

万能鑑定士シリーズ第3弾。

 

モデル出身の星合結衣が経営する

 

オリジナルのブランドショップ・ラブラドールは開店当初から人気だったが、

 

ある日突然、急激に売り上げが下がってしまった。

 

店に「来月は更に4割程売り上げが下がる」という電話があり、

 

実際に更に売り上げが落ち込こみ焦る結衣。

 

再び電話で売り上げの35%を所定の口座に振り込めば好転できると脅迫され、

 

牛込警察署へ相談に行くのだった。

 

たまたま居合わせた莉子と小笠原のコンビが原因を探ることに…。

 

冒頭でからくりは見えますが、

 

黒幕の手口を証明するために奮闘する様子が面白い。

 

3作目は前2作とガラッと違うタイプのテーマですが、

 

莉子の観察眼の鋭さと豊富な知識によって解明されていくのは変わらず、

 

人の死なないミステリーはやはり面白いと思いました。

 

お勧め度:★★★★ 4.5