2024年3月の読書記録 その1 | ゆるゆるな毎日

ゆるゆるな毎日

水曜どうでしょうやマンホール、キリスト看板などの趣味に走りすぎた日々を綴っています。

3月は納骨準備があったり、それに付随する騒動があったりしたため、

 

読書に没頭できる時間がごっそり削られてしまった感があります。

 

読了は漫画も含めて27冊と少ないながらも、月の前半は読書を楽しみました。

 

 

バナナの歴史 ローナ・ピアッティ=ファーネル

バナナの歴史について書かれた本。

 

果物のバナナと甘くないバナナであるプランテンとの違いや、

 

バナナの流通の歴史、また調理法や大衆文化に与えた影響など、

 

幅広い分野に渡って書かれていました。

 

伝説に登場するバナナについてもページが割かれていましたが、

 

聖書に出てくる知恵の実はリンゴではなく、

 

バナナだった可能性が高いということを初めて知り、驚くと共に、

 

解説を読んでリンゴは誤訳だった可能性が高いことも分かりました。

 

東京バナナ観察をしていたので、

 

バナナについてもう少し知ってみようと思って借りた本でしたが、

 

堅苦しすぎず、色々学べて良かったです。

 

お勧め度:★★★★ 4.0

 

 

一家心中があった春日部の4DKに家族全員で暮らす 建部博

雑誌の連載企画で、2軒の事故物件に入居し、その生活を綴ったルポルタージュ。

 

1軒目は豊島区池袋の豊島マンション205号室。

 

しかしこちらは事故物件ではなく、

 

入居者が4人連続で夜中にうなされたからと退去したマンション。

 

2軒目は夫婦と小学生の子供が一家心中した

 

埼玉県春日部市の春日部コート508号室。

 

2章から成っており、池袋は独身時代から住んでおり、

 

2軒目は妻や子供などと一緒に住むという、

 

考えただけでゾッとする体験記です。

 

しかし知らずに殺人現場に住んでいて、様々な体験をした私から見ると、

 

筆者家族に起こった出来事は、事故物件の影響というよりは、

 

家族それぞれの問題のような気もしました。

 

お勧め度:★★★★☆ 3.5

 

 

ふしぎ駄菓子屋銭天堂7 廣嶋玲子

不思議な駄菓子を売っている銭天堂の第7弾。

 

鳥かごに囚われてるたたりめ堂のよどみが怪童に依頼し、

 

銭天堂の駄菓子との勝負を挑む。

 

紅子も承知し、銭天堂を訪れた客に両方の駄菓子を見せて、

 

客が多く選んだ方の勝利とすることになった。

 

おんぼろアパートの家が嫌いなひろみはドリームドーム。

 

将棋道場でどうしても勝てない相手がいる総一郎は最後にわら麩。

 

昆虫採集が上手になりたい陽太はハンターバターサンド。

 

料理下手な母親を持つ朱里と蒼一はシェフ・ショコラ。

 

客とのおしゃべりが苦手なタクシー運転手の辰雄はおもてナシ。

 

勝利のためにチームメイトに団結してほしい

 

バレーボール部キャプテンのゆずかは餓鬼ニッキ。

 

6組の客は、果たしてどちらの店の駄菓子を選んだのか。

 

勝敗も気になる巻でした。

 

お勧め度:★★★★★ 5.0

 

 

絶対に出る世界の幽霊屋敷 ロバート・グレンビル

世界各地の絶対に幽霊が出る建物の写真集。

お城、墓地、ホテルと公共施設、屋敷と宮殿、工場、病院と刑務所、

 

宗教施設などの項目ごとに、

 

幽霊が出ると言われている物件が写真付きで紹介されています。

 

写真集と言っても絵画と思われるものも何点かあり、

 

また基本的に1件につき写真が1枚なのが残念でした。

 

もう少し、雰囲気のある場所の写真が載っていたら良かったと思いました。

 

また物件はヨーロッパ、特にイギリスとアメリカが中心で、

 

その他の地域はほとんど載っていませんでした。

 

ただ、イギリスのメフリー・キングス・クロースのページに

 

霊視した日本の霊能者として宜保愛子さんの名前が出てきたのでびっくりしました。

 

お勧め度:★★★★ 4.0

 

 

トラブル旅行社 白熱の龍神まつり 廣嶋玲子

しくじりを解決するために不思議な世界での旅を提供する

 

トラブル旅行社の第3弾。

 

親友の伸介と喧嘩をしてしまった拓真。

 

伸介が謝ってきたら許してやるのに…と思いながら歩いていた拓真は、

 

気が付くとトラブル旅行社の前に立っていた。

 

龍神の喜ぶものを捧げ、龍神の加護を村に呼び込むことが出来たら望みが叶う

 

というポスターを見て、拓真は伸介に謝らせるため、

 

白熱の龍神まつり旅立つことを決意するのだった。

 

今回も3つのミッションをこなし、

 

元の世界へ帰るまでの冒険が描かれていますが、

 

今回も意外な展開で面白かったです。

 

お勧め度:★★★★★ 5.0

 

 

変な家2 11の間取り図 雨穴

フリーライターの私が変な間取りの家に関わった人々から話を聞き、

 

謎を解いていくお話。

 

前作に続き、設計士の栗原も登場し、

 

11軒の変な間取りの家について考察します。

 

雨穴さんの別の作品である「変な絵」よりは納得できましたが、

 

展開と設定に無理があるように思い、

 

このシリーズももう苦しいのかなと思いました。

 

お勧め度:★★★★ 4.0

 

 

ヴィズ・ゼロ 福田和代

香港・チェックラップ国際空港を飛び立った

 

日亜航空201便D-C9型機がハイジャックされ、関西国際空港に着陸した。

 

台風26号の影響で強風が吹き荒れ、

 

空港島を出る唯一の陸路であるスカイゲートブリッジも閉鎖され、

 

休暇で訪れていた警視庁捜第査1課に所属する甲斐も空港に取り残された。

 

ファントムと名乗るクラッカーを個人的に追っている甲斐。

 

13年前、「エスは死ね」と言われた殺された野口。

 

5年前、青島海岸で倒れていた密航者。

 

過去の出来事は、どうハイジャック事件に繋がるのか。

 

犯人の目的は何か。

 

それぞれのシーンの描写がイメージしやすい書き方をされていたので、

 

空港や管制室などの様子が脳内で映像として再生されるようでした。

 

タイトル通り、読み始めはヴィズ=ヴィジリティ(可視性)が悪く、

 

少しもったりした感じでしたが、物語が進むと共に多く感じた登場人物が整理され、

 

続きが気になり、最後まで飽きることなく読み切りました。

 

これがデビュー作とは思えない一冊。

 

福田さんのほかの作品も読んでみたくなりました。

 

お勧め度:★★★★ 4.5

 

 

ふしぎ駄菓子屋銭天堂8  廣嶋玲子

不思議な駄菓子を売っている銭天堂の第8弾。

 

鳥かごに囚われていたたたりめ堂のよどみが銭天堂にやってきて、

 

紅子に宣戦布告した。

 

紅子は店を守るためにまじない屋を呼ぼうとするが、

 

店には既によどみの着物の袖から出た小さな黒い物が2つ入り込んでしまった。

 

自分の気持ちを口に出せないりこはほしいイモ。

 

風をひき、一人暮らしが心細くなった幸介にはおっかさん仮面。

 

体が大きく喧嘩も強いが泣き虫の鉄志は泣かんパイ。

 

息子の蘭丸を有名人にしたい綾子にはマスク・メロンパン。

 

ポルトガル語しか話せないミーナと仲良くなりたい了耶にはバイリンガール。

 

地味でぱっとしない幼馴染のりえがタロット占いで

 

学校中の人気者になったことが妬ましい美咲はスリスリリンゴ。

 

よどみのせいで思いもかけない状況になる人々。

 

紅子はどう対応するのか。

 

今回も楽しい展開でした。

 

お勧め度:★★★★★ 5.0

 

 

東京幻想作品集Ⅱ 東京幻想

新宿、渋谷、上野、スカイツリーなど、東京の様々な場所が廃墟化し、

 

野生生物などが闊歩している様子を描いたイラスト集。

 

鹿やクジラ、パンダなどのほか、恐竜がいたり、

 

「千と千尋の神隠し」に登場したカオナシのようなキャラクターや

 

ルイーズ・ブルジョワのママンのようなキャラクターも描かれています。

 

よく知っている場所が廃墟になっている様子は、少し悲しく感じますが、

 

廃墟の街を飲み込むかのような青々とした植物や息づく生物、

 

そして何故か作られている畑など、

 

廃墟の世界で感じる命や生活が垣間見え、力強さを感じる作品集でした。

 

作者の東京幻想さんは、

 

アニメやゲームの背景で有名な草薙のご出身だそうです。

 

巻末には草薙の元代表の中座洋次氏との対談も載っており、

 

アニメ背景の制作の裏話も少し分かるのも嬉しかったです。

 

独立後、東京幻想さんが手がけた作品もあるそうですが、詳細が分からず残念。

 

お勧め度:★★★★★ 5.0

 

 

私たちの世代は 瀬尾まいこ

母子家庭で近所の公立小学校に通っている冴。

 

教育熱心な母を持ち、小中一貫の私立小学校に通っている心晴。

 

新型コロナで緊急事態宣言が発令され、登校できなくなってしまう子供たち。

 

外出すらままならない今までと違う日常を過ごした子供たちの苦悩や希望と、

 

その時代経て成人した世代は何を感じ、人生を選び進んでゆくのか。

 

チューリップとリンゴ、そして手提げカバンのアイコンの後に文章が書かれており、

 

冴と心晴それぞれのお話になっているのですが、

 

時間軸も入り混じっていたので、それが理解できるまでは混乱し、

 

なんとも読みにくかったです。

 

中盤まではカバンが誰の話なのかも分からずにモヤモヤしたし、

 

話自体ももったりと重たくて退屈。

 

読後感は良かっただけに残念でした。

 

お勧め度:★★★★☆ 3.5

 

 

ふしぎ駄菓子屋銭天堂9 廣嶋玲子

不思議な駄菓子を売っている銭天堂の第9弾。

 

今作は、新作駄菓子のアイデアを見つけるため、

 

墨丸と共に旅に出た紅子が旅先で出会った人に損得なしで駄菓子を提供するお話。

 

乗り物酔いに困っている百合子は酔わんようかん。

 

湯守りの祖父が腰を痛めて以来、

 

温泉宿の客足が減って困っている孫娘の葵には肩こり地蔵まんじゅう。

 

人が写り込まない写真を撮りたい久司には写らんシール。

 

夕食のバイキング前にポップコーンを食べすぎてしまった英也は底なしイ~カ。

 

三年前に妻を亡くしたことで気力がなくなってしまった五郎にはカモメアメ。

 

お人よしの兄・一志がライバル店の竜司に和菓子のアイデアを盗まれ、

 

怒っているはるかにはアイデアあんこ。

 

今回も6話のお話が収録されており、

 

お話ごとにほっこりしたり意外な展開に驚いたりして面白かったです。

 

エピローグでは新展開もあり、次巻も楽しみです。

 

お勧め度:★★★★★ 5.0

 

 

昭和の凶悪殺人事件 小野一光

昭和40年代以降の凶悪事件を、

 

警察内部だけに出回る資料を参考にまとめた1冊。

 

犯罪捜査がハイテク化される前の時代だったため、

 

捜査員の地道な捜査や執念の取り調べによって、

 

真犯人に辿り着いたり追い詰めたりしている様子も書かれていました。

 

知らない事件も多く、ゾッとしながら読みました。

 

 

 

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