2023年6月の読書記録 その1 | ゆるゆるな毎日

ゆるゆるな毎日

水曜どうでしょうやマンホール、キリスト看板などの趣味に走りすぎた日々を綴っています。

6月は漫画も含めて44冊読みました。

 

文字数が制限が超えてしまうので、今回も2日に分けて記録しようと思います。

 

 

ゴールデンカムイ 1巻~14巻 野田サトル

アイヌが隠した金塊を巡り、明治末期の北海道と樺太を舞台に

 

色々な勢力が争奪戦を繰り広げるお話。

 

6月末でアニメの第4期の放送が終了し、第5期の放送が待ち遠しいので

 

また1巻から読み直しました。

 

漫画は31巻で完結しているので、今月、この続きをまた読もうと思います。

 

お勧め度:★★★★★ 5.0

 

 

さよならドビュッシー 中山七里

ピアニストを目指し、日々ピアノと向き合う遥を突然の不幸が襲う。

 

事件なのか事故なのか。

 

遥の個人レッスンを引き受けたピアニストの岬洋介と共に、

 

コンクールを目指しつつ、次々に襲ってくる出来事に立ち向かっていきます。

 

「岬洋介シリーズ」の第1作で、

 

第8回「このミステリーがすごい!」大賞で大賞を受賞し、

 

映画化もされた作品です。

 

私は中山七里さんファンですが、初めて読みました。

 

最後は流石の中山七里と思いましたが、

 

音楽ミステリーというジャンルなので、

 

音楽の素養のない私には、少し退屈な部分が多かったです。

 

お勧め度:★★★☆☆ 3.0

 

 

化物語(上) 西尾維新

春休みに吸血鬼に襲われてから、

 

妖怪など異形のモノに出会うようになってしまった阿良々木暦。

 

階段で暦に向かって落ちて来た同級生の戦場ヶ原ひたぎを受け止めると、

 

ほとんど重さがなかった。

 

彼女に起きている怪異を解決すべく行動し…。

 

暦が吸血鬼に襲われた話や、別の同級生が関わった怪異については、

 

既に終わった出来事として出てきます。

 

実際は後から発行された別の本で語られているそうなので、

 

時系列がグチャグチャのスター・ウォーズ方式なのでしょう。

 

前のお話も読みたいなと思えれば良いのですが、

 

残念ながら私はそうは思えず、

 

はっきり言うとちょっと不快でした。

 

また軽口の掛け合いが多く、

 

それが魅力のひとつかもしれませんが、私には鬱陶しいだけでした。

 

ファンの方のように言葉遊びって言わないといけないのかな。

 

アニメも再放送中なので観ていましたが、

 

アニメでのセリフの応酬も要らないなと思ってしまっていたので、

 

文章になるとより一層要らないなぁという思いが強かったです。

 

全くノれなかったので、読破まで1週間もかかってしまいました。

 

下巻は、と言うか、西尾さんの本はもういいかな。

 

ファンの方には申し訳ないけれど。

 

お勧め度:☆☆☆☆ 1.0

 

 

さがしてみよう日本のかたち6 洋館 日竎貞夫

海外からきた技術者が建てた本物の洋館だけでなく、

 

コロニアル(植民地)風を更に日本の風土や文化に合わせて作られた洋館、

 

洋館を見て日本の大工さんたちが真似して建てた擬洋風の建物、

 

更に海外の技術をきちんと学んだ片山東熊や辰野金吾ら

 

日本人技術者らが建てた本格的な洋館と、

 

洋館の変遷のお話が面白かったです。

 

また洋館各部の名称が記された図があったり、

 

実際の洋館の写真を使った説明があったので、

 

とても理解しやすかったです。

 

明治村の建物や全国各地の洋館の写真も沢山載っていたので、

 

目の保養になり、また再訪して見てみたくなりました。

 

お勧め度:★★★ 4.0

 

 

謎めいた朝鮮王朝 韓流時代劇の隠された真実 康煕奉

韓国歴史ドラマの「トンイ」と「イ・サン」の時代をクローズアップした一冊。

 

私はその2作品を見て、朝鮮王朝のことを知りたくなったので借りましたが、

 

先にドラマを見ていたので、役職や呼び方、また人物などがスッと頭に入りました。

 

本物の歴史はかなり血なまぐさかったり、陰謀があったことがわかり、

 

ドラマでは描かれない部分を知ることができて面白かったです。

 

お勧め度:★★★★☆ 3.5

 

 

殺した夫が帰ってきました 桜井美奈

アパレルメーカーに勤務して2年目の鈴倉茉菜。

 

付きまとう取引先の穂高が自宅に現れ、部屋に押し入られそうになった時、

 

崖から突き落として殺したはずの夫・和希が現れ、穂高を撃退してくれた。

 

和希はなぜ生きていて、茉菜の前に現れたのか。

 

物語の先が気になる一冊でした。

 

お勧め度:★★★☆☆ 3.0

 

 

小さな緑の世界テラリウムをつくろう

      ミシェル・インシアラーノ、ケイティ・マスロウ

テラリウムの会社を興したミシェルとケイティさんが書いた

 

テラリウムについての本。

 

テラリウムに適した材料の選び方や作り方が詳しく書いてあるほか、

 

お二人の作品が載っています。

 

作品の中にペンダントを神社の鳥居に作り替えた日本庭園という作品もありましたが、

 

海外の方が思い浮かべる間違った日本が表現されていたのが面白かったです。

 

また苔の採取に行く際に必要なものや注意事項が面白く、

 

お友達から直接教えてもらっているような書き方が良かったです。

 

お勧め度:★★★☆☆ 3.0

 

 

幻想郵便局 堀川アサコ

資格も特技も夢なく、就職浪人になった安倍アズサ。

 

履歴書の特技欄に書いた「探し物」が目に留まったという

 

登天郵便局からアルバイトの求人が来ていると、

 

卒業した短大の就職課から連絡をもらい、行ってみることに…。

 

そこは、ごく低い狗山(いぬやま)の山頂にある不思議な郵便局だった。

 

ホラー要素もミステリー要素もある作品ですが、

 

全体的にほんわかとしたファンタジーなお話でした。

 

物語の最初の方は、色々な方の笑い方、

 

「ウフフフフー」とか「むふふふ」、「キシシ」などが出てくるので、

 

笑い声の描写がお好きな作家さんなのかなと思いました。

 

キャラクターを印象づけるためかな。

 

お勧め度:★★★☆☆ 3.0

 

 

失踪.com 東京ロンダリング 原田ひ香

夫が持っているアパートで異臭騒ぎが発生し、

 

不動産会社の社員と部屋の中を確認に行く加島康江。

 

事故物件に1ヵ月だけ住んで日給5千円をもらう

 

「影」と呼ばれる不動産ロンダリングをしている皆川哲治。

 

事故物件に関わる人々と、その人々の間で時々垣間見える人物の影。

 

読み終わると、そういうことかとすっきりしました。

 

この作品は前著の「東京ロンダリング」の続編だそうで、

 

前著に登場した人物も出てきます。

 

私は「東京ロンダリング」が借りられなかったので、

 

先にこちらを読みましたが、こちらだけでも十分楽しめました。

 

でも、「東京ロンダリング」も読んでみたくなりました。

 

お勧め度:★★★☆☆ 3.0

 

 

その扉をたたく音 瀬尾まいこ

ミュージシャンへの夢を捨てきれず、仕事にも就かず、

 

親から毎月20万円の仕送りを受けて怠惰な生活をしている29歳の宮地。

 

ギターの弾き語りで訪れた老人ホームで、

 

職員・渡部が吹いたサックスが神がかっていたことに仰天。

 

彼の演奏を聴きたくて、老人ホームに通い始める。

 

部外者が簡単に老人ホームに入れたり、通えるようになるなど、

 

ファンタジーのように感じる部分が多々ありました。

 

フィクションなので、仕方ないのかもしれませんが…。

 

ちなみに神がかったサックスを吹く渡部は、

 

「あと少し、もう少し」に登場するキャラクターだそうですので、

 

スピンオフ作品のようです。

 

そちらも読んでいたら、もう少し楽しめたかも。

 

お勧め度:★★☆☆☆ 2.0

 

 

蛇行する川のほとり 恩田陸

夏の終わりに野外音楽堂で行われる演劇祭の舞台背景を書くために、

 

高校美術部の先輩で憧れの九瀬香澄の家での夏合宿に誘われた毬子。

 

そこには香澄といつも一緒にいる、

 

もう一人の憧れの先輩・芳野も参加すると知って有頂天になるものの、

 

川のほとりにある「船着き場のある家」は、

 

昔、悲しい事件が起きた家だった。

 

自分の女子高時代を思い出すような少女たちの会話があり、

 

息苦しいような懐かしいような感覚を覚えつつ読みましたが、

 

核となるミステリー部分は、色々な視点の人からの思わせぶりなことを

 

いくつも重ねていくだけなので、ずっともやもやしている感じでした。

 

読者が分からない謎があるからミステリーだって言われればそれまでなのですが、

 

延々と引っ張られ、しかも形がしっかり見えてこないので嫌になりました。

 

謎解きに入ってからも、ふ~んという感じ。

 

これだから延々と引っ張るしかなかったのかと思いました。

 

また謎解きに入る前の大きな展開が好みではなかったこともあり、

 

読後感は良くありませんでした。

 

恩田さんの作品は当たり外れが大きいと聞いたことがあるのですが、

 

この作品は外れの方なのかな?

 

お勧め度:☆☆☆☆ 1.0

 

 

駅に泊まろう! 豊田巧

ブラックすぎる居酒屋チェーンの店長だった桜岡美月。

 

亡くなった徹三じいちゃんが書いた

 

「比羅夫のコテージを継いでほしい」という手紙を叔父からもらったことで、

 

エリアマネージャーに辞表を叩きつけ、その足で北海道に向かう。

 

美月が受け継いだコテージで出会う従業員・亮や

 

宿泊客とのエピソードが綴られています。

 

東京駅周辺や駅構内、新幹線の車窓の景色や、

 

北海道での列車の描写がとても細かく、生き生きと描かれています。

 

私のよく知っている場所が多く描かれているので、主人公と一緒に歩き、

 

新幹線や列車に乗って北海道まで連れて行ってもらったような気分になりました。

 

また作品に出てくる駅に泊まれるコテージは

 

実際にある駅の宿ひらふがモデルになっています。

 

この本を読むと、実際に行ってみたくなりました。

 

そして「試される大地」というコピーが何度か出てきますが、

 

北海道に住んでいた頃によく見聞きしていたので、懐かしくなりました。

 

お勧め度:★★★ 4.0

 

 

悪女たちの朝鮮王朝 歴史を作るのは男より女! 康煕奉

「謎めいた朝鮮王朝 韓流時代劇の隠された真実」が面白かったので、

 

この本も読んでみました。

 

韓国の三大悪女とされる張禧嬪、張緑水、鄭蘭貞は勿論、

 

韓国歴史ドラマでお馴染みの貞純王后や和緩女王、金介屎のほか、

 

文定王后、仁祖の側室だった貴人・趙氏など、

 

錚々たる悪女について書かれています。

 

朝鮮王朝では男尊女卑を認める儒教が国教だったことで、

 

能力のあった女性も自由に生活ができず、

 

王や王族を手玉に取って動かすことで、裏から権力を手にし、

 

自分の思い通りに生きようとしていたということも分かりました。

 

またドラマと史実の違いなども書かれていて、分かりやすかったです。

 

まだ見たことがないドラマも沢山出てきたので、

 

機会があったら観てみようと思いました。

 

お勧め度:★★★★☆ 3.5

 

 

空洞のなかみ 松重豊

俳優・松重豊さんがお書きになった12編の短編とエッセイ。

 

前半が短編の「愚者譫言」なのですが、役者が主人公なので、

 

最初は松重さんのことなのかと思ってしまいました。

 

実際は架空のお話で、

 

主人公はなぜかお話や役どころが分からない状態で撮影現場にいるという設定。

 

そういうことかと分かってからは、主人公と一緒に、

 

一体何の役で、どんなお話を撮影しているのかしら…と考えるのが楽しくなりました。

 

後半はサンデー毎日に連載されていた「演者戯言」になっていて、

 

松重さんのお仕事のお話や思い出話などを楽しませて頂きました。

 

文章で読んでいても、

 

脳内では松重さんの良いお声で再生され、とても良かったです。

 

松重さんのエッセイがほかにもあれは読んでみたいです。

 

お勧め度:★★★☆☆ 3.0

 

 

コンビニ人間 村田沙耶香

大学時代に始めたコンビニでのアルバイトを18年間も続けている古倉恵子。

 

コンビニ店員として生まれる前は、ほかの子たちとは違う考え方をして行動し、

 

「普通」が理解できない恵子。

 

完璧なマニュアルに沿って「店員」になり、

 

コンビニの歯車として社会の一員として働くことはできても、

 

マニュアル外の普通の人間の生り方が分からない恵子。

 

彼女の安定した日々と、

 

他人から求められる「普通」についての葛藤が描かれています。

 

作品の中に、はっきりとは書いてありませんが、

 

主人公は発達障害を持っているという設定だと思います。

 

私自身は「普通」の人間に属すると思いますが、

 

「普通」の人間は主人公のような人を無意識に傷つけ、

 

排除しようとしているのかも…と考えてしまいました。

 

発達障害の方の目に映る世界が、この主人公の通りかどうかは分かりませんが、

 

理解できない行動に思える描写がある一方、

 

とても理路整然としていて、共感できる行動の描写もあり、

 

私が考えてもみなかった視点を気づかせてくれました。

 

少し息苦しく感じる箇所もありましたが、

 

多様性の現代、別の立場で物事を考えるきっかけになる本だと思いました。

 

お勧め度:★★★☆☆ 3.0

 

 

東京まちなか超低山 50メートル以下、都会の名山100を登る

              中村みつを

都内にある築山、富士塚、天然の山で、

 

比高(山頂と登山口との標高差)が50メートル未満の超低山を登山した紀行文。

 

都心にある超低山だけでなく、郊外にある超低山も収録。

 

また超低山から超低山へと縦走する章もあり、

 

実際には既に山に見えない超低山も、

 

心の目で見て登頂していたりするので、面白かったです。

 

私も行ったことのある超低山がいくつも収録されていましたが、

 

筆者のように心を躍らせて挑んだことがなかったため、

 

今度超低山へ行く時は、この本を思い出して楽しもうと思います。

 

可愛らしいイラストも、とても良かったです。

 

お勧め度:★★★★☆ 3.5