今から8年くらい前に独立するとき、「今の私でクムさんから学べることはもう学んでしまった」と言うようなことをどこかに書いた記憶がある。
それはもうクムさんから学ぶことは何もないなどと言う意味ではもちろんなく、繰り返し行われていたワークショップの範囲内では、当時の私のレベル、器で吸収できることはほぼしてしまった、クムの域には到底達せないなと頭打ちを自覚した感覚だった。
そこから今日までの間、ヒロのダウンタウンにある小さな店でたくさんの人に施術をしてきた。
子供から老人まで、男性も女性もその間の人も、ハワイの人も日本の人もそれ以外も。
体重もおそらく下は30kg、上は200kg近い人もいたと思う。
健康な人、癌を患っている人、自閉症の若者、出産から1週間しか経ってない人。
人工関節だったり、背骨にロッドが入っていたり、抗がん剤用のポートが入っていたり。
マッサージセラピストもいれば、ロミロミどころかマッサージが初めての人も。
コリをほぐす、可動域を広げる、歪みを整える、エネルギーを通す。
やってることはその繰り返しだけど、同じ体は二つとないし、同じ体でも毎回違う。同じ施術は二つとない。
型を学び、その型をひたすらひたすら相手に合わせて微調整しながら組み合わせを変えながら繰り返す。
そうしているととときおり8年前の記憶の中のクムさんが出てきて、今も私に教え続ける。
学び続けるってこういうことなのだな、と思う。
ʻAʻohe pau ka ʻike i ka hālau hoʻokahi.
一つのハーラウに全ての知識はない。
有名なハワイなの諺なのだけど、一つのハーラウでも時空を越えるとそこにはまだまだ新たな学びがたくさんあった。
確かにハワイアンは夢の中やアウマクアになって、時空を超えて教え続ける人たちだったよなと納得する。
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最近、デスクの引き出しの奥に眠っていた数々のテキストブックを出してみた。
クムさんが昔書いたものもある。(ハワイアンが文字を書く人になっていてくれてよかった!!)
ここにも今の私が学ぶべきことはきっとある。
せっかくだから、クムさんを師と慕う日本のみなさんと「読む会」ができたらいいなと思う。
久しぶりのブログ、読んでいただきありがとうございました。