大雪海のカイナ ほしのけんじゃ | 若宮桂のブログ・空と海がぶつかる場所

ひとつ前の記事で、10月21日に観た鈴木康博さんのライブのことを書きました。
ライブ終演後は中洲から博多驛まで自転車で移動。夕食食べたりした後映画のレイトショーを見ました。



  大雪海のカイナ ほしのけんじゃ

この世界が何故こうなってしまっているのかは分からない。
主人公の若者、カイナは、地表から遙か上空にある「天膜」と呼ばれる場所で暮らしていた。両親は亡くなっており、天膜に住む人間はカイナのほか数人の古老だけになっていた。
天膜は「軌道樹」と呼ばれる全高が数キロにも及ぶとみられる巨木で支えられ、ちょうどテントのように星の全域を覆っている。
ところどころ割れている天膜から見える下界は、一面「雪海(ゆきうみ)」に覆われて人が住めなくなっていると、カイナは知らされていた。
かつてこの星が栄えた頃の遺物とみられる道具を使いこなし、看板じいと呼ばれる古老から古代の遺物らしい金属製の「看板」に書いてある文字の読み方を教わり(※地球の日本語のように見える)、天膜に住む巨大な虫を狩って糧として暮らしていた。
カイナは下界に動く光を見て下にも人が住んでいる筈と、雪海に想いを馳せるのだった。

そんなある日、カイナは軌道樹の下から登ってきたリリハを救出する。
雪海にも人が住んでいたと、衝撃を受ける天膜の人たち。
リリハは軌道樹の根元にあるアトランドという国の王女。雪海には軌道樹の根元に幾つかの国があり、軌道樹から染み出す水の恵みで1000人くらいの人が住んでいるらしいが、すでに枯れはじめている。そして残り少ない水をめぐってバルギアという国に攻められており、水を生み出すという伝説として語られる大賢者に会う為、この天膜までやってきたらしい。
リリハをアトランドへ送り届ける為決死の覚悟で軌道樹を降りるというカイナに、天膜の人たちは快く秘蔵の古代の遺物を持たせるのだった。


大雪海(おゝゆきうみ)のカイナは、今年のはじめ頃テレビ放送されていたアニメーション作品。
以前このページで紹介した「シドニアの騎士」の原作者、弐瓶勉氏の新作ということで見ていました。
かつて超化学で栄えた星(※日本語の看板が出てくるが地球かどうかは不明)が崩壊し巨大な蟲がはびこる世界。その滅びの淵で死に怯えてなお戦争を繰り返す人類と、見ていてまるで風の谷のナウシカだと思いました。

「建設者」と呼ばれ、強力なビームを発射してくる謎の人型古代ロボット(巨神兵?)を操り、周辺の国を滅ぼしては水を奪うバルギアの支配者ハンターギル。
カイナは建設者を倒し、アトランドに残された旗が世界の中心にある大軌道樹への地図になっていて、そこには水があると突き止めた。

今回見た「ほしのけんじゃ」はそのテレビシリーズの後日譚。
カイナと、(いろいろと思いはあるものの)和解したアトランドとバルギアの有志たちが船に乗り込み、またも真偽が定かではない大軌道樹へ向かい旅するというもの。

テレビの1クールできそうなボリュームの内容を劇場版に縮めたような駆け足感はありましたが、それでもこの舞台設計はよいもので、楽しめました。

 

 

静かな映画館。エンドロールで流れるのは、ヨルシカの「月光浴」。

♪月の中を生きる日々を月日と誰かが言った

あ~この詞が忘れられない。とてもよい詞を書きますね。
アルバムが出て収録されたら、買ってあらためて聴いてみたい。