レコードをCDR化(三) | 若宮桂のブログ・空と海がぶつかる場所

オーディオキャプチャーを使いwavに変換したレコードの音源とCDの音源を合わせ、今回もオリジナルのCDRを作りました。

今回は、自分が中学生の頃からのファンで、今も精力的に音楽活動を続けておられる相曽晴日さんと、はるひさんと同じくポピュラーソングコンテスト(ポプコン)出身で、彼女が心友と語るシンガーソングライター明日香さんの楽曲をCDRにしました。

もともとこのCDRは2016年に制作するつもりで、当時、持っていたレコードからまず一旦MDに録音し、MDとPCを繋げてwav音源化という手順で行ったものの、左右の音のバランスが悪いという不具合が発生し、断念。
今回は4年越しの夢がようやく実現しました。


まずは相曽晴日さん。
以前に一部の曲はまとめましたが、今回はデビューから90年代はじめ頃までの曲をまとめました。
シングルのレコードは6枚発売されており、のちに発売されたベストアルバムや企画版にも収録されず一度もCD化されていない曲があります。
メジャーデビューシングル「舞(シングルバージョン)」、セカンドの「コーヒーハウスにて」とそのB面の「赤の素画(デッサン)」、「水彩画(シングルバージョン)」、「男と女で(シングルバージョン)」はベストアルバム「TRICTRAC」のCDから。「今晩わ(※今晩は、じゃないですよ)」と「KAIHINホテル」はアルバムのCDから音源化。

舞B面の「クリスティーン・16」は何故か一度もCD化されていないので、レコードから音源化。
「こんな時」、「苺のかぜ」、松崎真人さんとデュエットでメジャーラストシングル「夢のままのユートピア」は、これもレコードから音源化。この3曲はベストアルバムCDにも収録されています。ユートピアのB面は松崎さんのソロ曲なので割愛してます。

これ以外にアルバム未収録曲を5曲。
まずは「トワイライト」の歌詞などが異なる別バージョン。
2000年代はじめ頃、企画版として発売されたCDに誤って収録されたボツ音源で、2018年にライブツアーで福岡へ来られた際に入手したCDR「相曽晴日秘密の音源」に入っているものを使用。
続いてメガCD用ゲームソフト「アイル・ロード」の冒頭デモでテーマソングとして流れる「遠い日の約束」。ボーカルと作詞ははるひさん、作、編曲は桜庭統(さくらばもとい)さんで1992年に発売されました。
そしてこれは懐かしい、高河ゆんさんの漫画「アーシアン」のオーディオドラマBGMコレクションCD(1995年発売)収録の「永遠のロマンス」と「あなたへ」。2002年にネットオークションを始めたのですが、確か最初に落札したのがこのCDだった記憶があります。「オーディオドラマ」の方は曲前後にセリフが被ってしまいますので、曲を聴きたいだけならBGMコレクションを探しましょう。
この、80年代後期から90年代前期のはるひさんは、ボーカルがとくに素晴らしいですね。

 

そしてこのCDRの最後に入れたのは「悲恋酒」。
この曲は、当時SBSラジオ(静岡放送)の「コッキータウン」という番組の人気投票で選曲され、スタジオ収録された「'79ポプコンエアー」というオムニバスLPレコードに収録。
300枚限定プレスという大変な稀少盤で、高額な為諦めていましたが、今回少し安いものが出品されていましたので、落札。それでも1万くらいしましたが、長年の引っ掛かりを解消できました。

このほか、(故)あさぎり夕さんの漫画「なな色マジック」のイメージアルバム「あさぎり夕らんど なな色マジック2」のLP盤に、織田純一郎さんとのデュエットで「恋人たち」という曲のボーカルを担当しているという情報も得ましたが、検索してLPの画像を拡大してみると、ボーカルのおなまえが別な方になっており、名前の名義を変えているのかもしれませんが、LPは買うと高く、確認が取れませんでした。
この漫画、懐かしいです。妹がむかしこの漫画家さんの作品が好きで、今も確かこの単行本家にあります。


と、こゝで、レコードの取扱について少し書きます。
普段聴くぶんにはそれほど気を使わなくてもよいですが、爪は必ず切りましょう。
自分は若い頃、「ビデオゲームグラフィティvol.2」のLP盤を伸びていた爪で傷つけてしまい、完全に溝を破損してしまって処分したことがあります。(ずっと後でCDで買いなおしました)。
これに加え、今回はいわばレコーディングですから、掃除機もかけます。こういった作業は模型作りと似ていますね。
今回使用した盤は、相曽晴日さんのシングルは比較的ノイズ少な目。逆に明日香さんはノイズ多めでした。まぁそれでも深刻なものではなかったです。

問題はポプコンエアー。
悲恋酒を一度録音してみましたが、音飛びしてしまってます。
音飛びの原因として、プレーヤーがひどい安物、プレーヤーが傾いている(ホームセンターで買える水準器で確認できます)、プレーヤーの針圧などの設定がマズイ、レコード針が劣化している、汚れている。といった装置由来のほか、盤にキズがある、カビがある(大きなカビが溝を塞いで音飛びすることがあります)、反っている、といったレコード由来が考えられます。
今回はキズ。しかもよりによって厄介な横キズです。
レコードのキズは溝とは対角線状につくものと溝に沿ってつくものとがあります。
縦にできたキズなら、ボツッボツッとノイズが出るものの音飛びは少ないのですが、溝に沿ってついているキズは音飛びの原因になります。
まず燃料用アルコールでキズの部分をよく拭き、再度再生したところ、大きなノイズははいるものの、音飛びは無くなりました。
この燃料用アルコールで拭くというのは盤を痛める可能性があり、最終手段くらいに思ってください。
もしこれでダメなら、よく切れるデザインナイフで溝のよれた部分を戻すという荒療治もありますが、これも本当に最終手段。
今回は高価な盤なので行いましたが、もし千円ていどで買いなおせる盤なら、買いなおしてみるのも手です。

悲恋酒に大きなノイズが入ってしまったので、このノイズ部分をいつものサウンドエンジンフリーを使って取り除き(ごく僅かにカットする感じ)、違和感無くようやくwav音源にできました。


次は明日香さん。
彼女は2013年に、ちいさい子をふたり遺して癌で亡くなられました。
明日香さんも以前に、ダウンロード購入した「心つないで」をCDR化したりしてまとめましたが、今回はメジャー時代に発売されたシングル盤や2枚のLPをCDR化しました。
シングルは6枚12曲発売されており、「卒業白書」と「悲しいね」以外はアルバム未収録曲ですが、CD「ポプコンマイリコメンド」で一部CD化されてます。今回は全てレコードから音源化。
この12曲に加え、以前購入した「ライブ!!ポプコンヒストリーVI」収録の「花ぬすびと」ポプコンライブ音源、公式ホームページに期間限定でアップされていた「摩天楼」のポプコンライブ音源も追加して1枚にしました。

メジャー時代、LPは「おてんばさん(1984年2月発売)」と「コーヒーと蒸(ふか)しイモ(同年11月発売)」の2枚が発売されました。
一度だけCD化されたことがあるようですが、たいへん稀少で入手は困難でした。しかし今はiTunesでダウンロード購入できます。
今回はせっかくLP持っているので、こちらから音源化してます。

 

おてんばさん収録の花ぬすびとはLPバージョン。
ピアノ弾き語りとストリングスのみのシンプルなアレンジが魅力でしたが、LP版は新録音で音を追加して少し華やかな印象ですが、個人的にはシングル版のシンプルさが好み。ボーカルも、少し優しげです。
一方♪今は眠れ眠れ眠れ~のサビ部分が印象深い「ブルーララバイ」は、そのサビ部分を冒頭に持ってくるなど大きく変容し、こちらはLP版のほうが好印象です。
圧巻なのは、コーヒーと蒸しイモ収録曲で唯一明日香さんが作詞もされている「泣きごと」。業を感じる、凄みのある詞とアレンジが良いものでした。