(2号墳頂から1号墳を)



☆ 作山1号墳・5号墳 (与謝野町明石)



丹後国與謝郡
京都府与謝郡与謝野町字明石2341
(大規P有り)




「野田川」流域に栄えた「加悦谷(かやだに)」の東縁、与謝野町「明石(あけし)」に築かれた作山古墳群の2基。

全5基を以て国の史跡に指定。蛭子山古墳群(全8基)「はにわ資料館」とともに「与謝野町立古墳公園」として整備されています。

「日本海三大古墳」の1基である蛭子山1号墳の南側に隣接して5基が築かれています。最も西側にあるとされていたのが1号墳。その造出の一部と思われていたところ、内行花文鏡等が出土し、5号墳が確認されました。5号墳は1号墳の造出の下敷きのような格好となっています。

5号墳に重なるように後から造られた1号墳。築造時期はほぼ同じ。意図して寄り添い重なりあうようにして造られたのでしょうか。

1号墳・5号墳ともに隣接する蛭子山1号墳とは築造時期が近く、また埴輪や貼石等の共通が見られるとのこと。近い集団で、下位首長墓といった見方がなされます。


【1号墳】
*円墳
*径28m
*二段築成、造出有り(5号墳と重複)
*埴輪(丹後型円筒埴輪・朝顔型円筒・合子型埴輪・家形埴輪)・貼石有り
*人骨(成人男性)、変形四獣鏡1面、石釧2点、ガラス製小玉約500点、鉄剣12本、刀子4本、鉄斧2本、鉄鎌2本
*埋葬施設は組合式石棺直葬
*4世紀後葉に築造
*従属埋葬15基有り

【5号墳】
*方墳
*一辺13m
*内行花文鏡1面、石釧3点、玉類124点(凝灰岩製管玉、瑪瑙・翡翠製勾玉)・小型鉄製品

*埋葬施設は割竹型木棺直葬

*4世紀後葉に築造


5基の築造順は
5号墳→1号墳→2号墳→3号墳→4号墳の順。





5号墳は後から発見されました。


1号墳を2号墳側(東側)より。

2号墳頂から1号墳を。右手は蛭子山古墳


1号墳頂

1号墳頂には石棺(実物)が展示されています。



足元に鉄製武具が副葬。白く映るのはガラスに反射した雲。

1号墳の造出

1号墳の造出の下に5号墳。

手前右が5号墳、奥左が1号墳

1号墳頂から造出部。奥右手が5号墳。

奥に見えるのが5号墳。

従属埋葬墓




以下「はにわ資料館」の展示物。右/内行花文鏡(作山5号墳)、左/撮影精度が悪く不明(与謝野町内での内行花文鏡の出土は、作山5号墳以外に蛭子山1号墳、明石愛宕山3号墳の2ヶ所と思われる)


作山5号墳出土品。

同上


家形埴輪(作山1号墳)

合子形埴輪(作山1号墳)