☆ 千股池 (壬申の乱「當麻衢」推定地)



大和国葛下郡
奈良県香芝市良福寺
(池の東側道路は広く停め置き可)



「二上山」が美しく見える眺望できる視点場として知られる溜池。春秋分の日には、「二上山」の「雄岳」と「雌岳」の間に沈む夕陽を撮影しようと、写真家たちが大挙して押し寄せます。

当地は「天武紀」の「壬申の乱」にみえる、「當麻衢(たぎまのちまた)」の推定地とされています。

━━(天武元年七月四日) 近江軍が大坂道自り至ると聞き、将軍大伴吹負(オオトモフケヒ)は軍を率いて西へ向かって「當麻衢」に到り、壱伎史韓国(イキノフヒトカラクニ)軍と「葦池」の側で戦った━━

「當麻衢」は大海人皇子軍の将軍大伴吹負と、近江軍の壱伎史韓国が激突した「古戦場」であると。

「大和古京」(飛鳥京)を占拠し大和を抑えた大海人皇子軍でしたが、近江軍が四方から攻めてくるため、四方に軍を配備します。そして「乃楽山(ならやま)」からの進攻に吹負軍は敗戦。京に戻り軍を再整備し、河内から攻めてきた韓国軍と対戦したというもの。

大和盆地を横断する「横大路」が、長尾神社の地で「竹内峠」越えルートと「穴虫峠」越えルートに分岐します。
「竹内峠」越えは長尾神社からそのまま西へ、「二上山」の南側を通るルート。「穴虫峠」越えは「二上山」の北側を通るため、一旦北上するルート。この「千股池」の東縁を経由しています。

また「葛下川」の中流域付近でもあり、交通の要衝であったと考えられます。

なお「葦池」は、当地から北西1kmほどの香芝市磯壁にある「吉ヶ池」を「香芝町史」は比定しています。他にも候補地はあるようですが。



「二上山」の背後に太陽がくると、池に「二上山」が逆さに映るようです。



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