小田神社 (伊都郡高野口町)


紀伊国伊都郡
和歌山県伊都郡高野口町小田76
(P無し、近隣停め置き不可)

■延喜式神名帳
小田神社の比定社

■旧社格
村社

■祭神
物之部武彦命
[配祀] 蒼稲魂命 国保食命 猿田彦命 市杵島姫命 誉田別命 大日霊命 素盞嗚命 日本武命 香都知命


「紀ノ川」に南から流れてきた「丹生川」が合流する直前、北岸畔に鎮座する社。
◎当社は物部氏一族の小田連公が奉斎した社であり、祖神の物之部武彦命を祀ったとされます。「先代旧事本紀」の「天孫本紀」に饒速日命十三世孫として物部尾輿連公が記されます。その弟の一人として物部建彦が記され、高橋連・立野連・都刀連・横広連・勇井連・伊勢荒比田連・小田連らの祖とあります。
◎小田連公(元は物部大連公)は1400年ほど前に当地に移住し、当社を創建したと伝わっています。当社が鎮座すること以外に小田連公の痕跡は確認できないようですが。
◎神名帳の紀伊国伊都郡には、名神大社の天野大社(丹生都比女神社)と当社との2社のみ記されますが、当社が筆頭。当然ながらがかつては広大な神域を有する大社だったもよう。
◎文化八年(1811年)に刊行された「紀伊名所図會」の「小田神社」の項には、以下の2首が掲載されているとのこと。
━━守ります 小田の御神の 恵みとも しらでやしづがを しねかるらむ (読人しらず)━━
━━玉だれの をだの宮居は あれにけり 昔にかへす ますらをもがな (小田牛雄)━━

◎歌の意訳を付しておきます(勉強不足なので多少の誤訳はご理解下さいませ)。
* 「村を守っているのは小田の御神の恵み(お陰)だと知らないので、沈んだ表情(神社が哀れなお姿)となっているのだろう」
* 「御簾を垂れている小田の宮居(神社)は荒れてしまっている。昔の勇壮な姿に戻って欲しいものだ」
「玉垂れ」は小田宮に掛かる枕詞





ご本殿

境内社




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