御代神社 (雲南市加茂町)


出雲国大原郡
島根県雲南市加茂町三代485
(P有)

■延喜式神名帳
御代神社の比定

■旧社格
村社

■祭神
素盞嗚尊
稲田姫命
[配祀] 大山咋命



「斐伊川」中流域沿い、支流「赤川」とに挟まれた「雲南市加茂町三代(みしろ)」に鎮座する社。
◎素盞嗚尊が八岐大蛇を退治した際に、大蛇狂乱の末、頭は「下神原」の「草枕」に、尾は「三代」に斬り留められたと伝わり、当社は中世には「尾留大明神」と称されていたとのこと。
記紀神話においては大蛇の尾から「天叢雲剣(草薙剣)」が取り出されたとされることから、その発祥地として考えられています。なおその三種神器の一である「草薙剣」は、現在は熱田神宮に御神体として鎮まっています。
「頭は下神原の草枕に…」とありますが、北西500~600mに鎮座する八口神社(加茂町神原)においては、「草枕山」を枕に伏し寝ていた八岐大蛇に矢を放ち仕留めたと伝えられています。現在は「草枕山」は「赤川」の治水事業により消滅。

◎創建年代は伝わっていないようですが、「出雲国風土記」記載の「御代社」、「延喜式神名帳」記載の「御代神社」に比定されており、その頃には既に創建済みであったとみられます。
◎かつては「御立薮(おたてやぶ)」という地に鎮座。延享元年(1744年)に「斐伊川」の氾濫により、南200mの「大津の丘」丘陵中腹に遷座。現在はそちらに旧社地として石碑が建てられているようです(当社より北西500mほど、現地未参拝)。そして大正元年に現社地の「三代東」に遷座するに至ったとのこと。
◎現社地にはかつて日吉神社が鎮座していたらしく、移転合祀されたようです。現在は配祀神として大山咋命が鎮まります。
ところがこの日吉神社は「出雲国風土記」記載の「屋代郷比和神社」に比定されています。どうやらいつの頃からか日吉大社より大山咋命が勧請され、社名も変わっていたようです。
◎境内社に青幡佐草日古命を祀る高麻神社が鎮座しています。素盞嗚尊の御子神であり、意宇郡(松江市佐草町)鎮座の八重垣神社にも祀られる神。大蛇退治の際に稲田姫命を隠し、退治後に宮居を定めて夫婦になったという「佐久佐女の森」が奥の院としてあります。
また大原郡内に「高麻山(たかさやま)」が当社より東4kmほどにあり、青幡佐草日古命が麻の種を撒いたと「出雲国風土記」に見えます。



駐車場は向かって左手に有り。

清掃の直後に参拝したのかもしれませんが、おそらく普段より丁寧に維持管理がなされていると思われます。







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