☆古墳☆ 文殊院西古墳



大和国十市郡
奈良県桜井市阿部645 (安倍文殊院内)
(境内有料P有り)



安倍文殊院という仏教施設内の古墳。
古代有力豪族であった安倍氏の氏寺であり、被葬者もその安倍氏の有力者とみられます。

安倍氏は第8代孝元天皇皇子であり、四道将軍の将軍の一人として知られる大彦命を始祖とする一族。「新撰姓氏録」に「左京 皇別 阿倍朝臣 大彦命之後也」とあります。

主な後裔は以下の通り。
*「乙巳の変」後の「大化の改新」の第36代孝徳天皇のもと左大臣に就いた安倍内麻呂(倉梯麻呂)
*「竹取物語」に登場する、内麻呂の子の右大臣 御主人(ミウシ)
*第37代斉明天皇のもとで蝦夷征討の将軍として活躍した安倍比羅夫
*遣唐使の一員として知られる安倍仲麻呂
*平安時代の陰陽師の安倍晴明

石室は開口しており、日本でもっとも精巧で、もっとも美しい切石石室。国の特別史跡に指定。



■形状
円墳(掘削済み、推定)
■全長
25~30(掘削済み、推定)
■築造時期
7世紀後半
■埋葬施設
両袖式横穴式石室
精巧で美しい切石石室
■出土品
確認されていない
■周辺の状況
安倍氏の本貫地であり、氏寺であった安倍文殊院境内。本堂前にあり、古墳を意識して建てたと思われる。
■被葬者
安倍内麻呂(倉梯麻呂)説が有力。








近現代の石造形物かと思うほどの美しさ。

側面より。

背後より。