天一神社 (天神社、東吉野村日裏)


大和国吉野郡
奈良県吉野郡東吉野村日裏56
(アクセス、駐車は下部写真参照)

■旧社格
村社

■祭神
天照大御神
大物主命


丹生川上神社 中社から東へ5kmほど、東吉野村「日裏」の深い山中に鎮座する社。

◎標高は730mほどかと。平成二十七年の統計データで4世帯、人口6人の限界集落。丹生川上神社 中社からは林道をおよそ6km走ったところ、途中に民家は1軒も無し。
◎「東吉野村史」には以下のように記されます。
━━由緒や勧請年代不詳であるが、大正六年(1917年)「神社私察調書」に「安産ノ神トシテ遠近ヲ問ハス妊婦ノ参拝スル多クシテ帰向念厚シ 又妊婦ハ神社傍ノ杉ノ木ノ皮ヲ借リ来リ守リトシ出産ノ後御礼詣フトシテ参拝ノ上返戻ス」とあり…(以下略)━━
◎社名「天一」から想像されるのは天目一箇神(アメノマヒトツノカミ)。鍛冶神。十市郡「鹿路(ろくろ)」の天一神社も天目一箇神をご祭神としています。ところが当社にはそのような言い伝えはないようです。また登記は「天神社」でなされています。原初が鍛冶神を祀る社であったところに安産の神が被さったのか、或いは当初から安産の神として祀られたのか判断のつかないところかと。
◎ご本殿は無く、切り株に覆屋が施されていることから、かつて御神木が存在し御神体として崇められていたのだろうと察せられます。


丹生川上神社 中社から「蟻道橋」を渡り摂社 丹生神社方面へ。そのまま進むとすぐに「東吉野キャンプ場」へ左折する道が現れます。左折し「日裏川」沿いの山道をひたすら6km(走行距離で7km)ほど進みます。

直前に鋭角のカーブがあり、ヘリポート用の広場に出ます。ここに停め置き歩きました。


ヘリポートからは50mほど。集落はここからまだ500mほど先にあるようです。






拝殿の真裏。

切り株が見えます。

「天一神」と刻まれた灯籠。

「元禄六年 日裏村」と刻まれています。