片山神社 (柏原市片山町)


河内国安宿部郡
大阪府柏原市片山町10
(やや狭いが南西方向から進入し境内に駐車可)

■祭神
八幡大神


「大和川」に「石川」が合流する要衝、丘陵地に鎮座する社。周辺は住宅等の密集地となり、古代の面影はまったくありません。
◎当地はかつての「安宿部郡(あすかべのこほり安宿郡とも)尾張郷」。これは尾張氏が当地を拠点としていたことによるもので、「新撰姓氏録」には「河内国 皇別 彦八井耳命之後也」とある氏族の拠点であるとされます。彦八井耳命は神武天皇と媛蹈鞴五十鈴媛命との間の御子であり、多氏の祖。おそらくは渡来系氏族であろうと思われます。
◎尾張氏とのつながりを見出せるのが応神天皇皇后 仲姫命(仲津姫命)。母方は天火明命十二世孫である建稻種命の娘である金田屋野姫命。仲姫命の立后の折、部民として当地に居住したのがこの尾張部氏ではないかと想像されます。「石川」の対岸には仲姫陵が築かれています。

◎安宿部郡には地名由来ともなっている飛鳥戸造氏(かつては当地を拠点としていた)や、田辺史氏(田邊氏、伯太彦神社伯太姫神社春日神社などの記事参照)、そして尾張部氏が居住していたとされます。周辺には彼らの古墳が多く残ります。
◎「尾張郷」は後に「奈加郷」となります。他に安宿部郡には賀美郷と資母郷があり、それぞれ「上(かみ)・中・下(しも)」であろうかと。
◎当社の創建年代については伝わっていないようです。境内には片山廃寺跡の残骸が散在。尾張部氏の氏神であり氏寺だったように思われます。


やや狭い道ながら南西方向から進入、境内に駐車可。




境内社