朝貴神社
(あさきじんじゃ)


紀伊国牟婁郡
和歌山県東牟婁郡串本町出雲58
(社前に停め置きました)

■旧社格
村社

■祭神
大己貴命
[配祀] 天照大神 火々出見尊 火産霊神 蛭子命 熊野夫須美神 速玉男神 家津御子神


本州の最南端、「潮岬(しおのみさき)」の半島東岸海際「出雲」に鎮座する社。
◎創建は社伝によると、「長録二年(1458年)、大職冠藤原鎌足公の嫡子伊美麿から二十五代の裔、神祇大副卜部兼倶が熊野参詣のとき出雲国より勧請し創建」としています。
卜部兼倶(ウラベカネトモ、吉田兼倶)は事実上の「吉田神道(唯一神道)」の創始者。真偽のほどはともかく、これほどの大家が創建に関わるとはよっぽどの霊地とされていたからかと。
◎一方で「紀伊続風土記」は、「伊勢大神宮の摂社 磯辺の神を祀るという」としています。これは伊雜宮のことと考えて差し支えないかと。
謎多き社であり、天照坐皇大御神御魂をご祭神としているものの、猿田彦神や瀬織津姫神とする説も。当社への勧請理由は不明。
◎さらに「出雲崎」に漂着した御神体を、漁師が拾い上げ祀ったというものも。その御神体は女神であったと。伊雜宮からこちらへ漂着するとは考えられず、西方からのものと思います。
◎ご本殿脇からは海岸へ出られます。そこには岩礁でできた絶景が広がっており、古来より神が宿る聖地とされてきたであろうことが窺えるもの。未確認ながら、小さな洞穴もあるようです。


漁港の側に鎮座。県道41号線からは進入禁止とされていますが、参拝のためであれば問題無いと思います。車は鳥居側に。


シャコ貝というのでしょうか。ご本殿瑞垣前に据えられています。

境内から海岸へ。



この上なく美しい景色でした。