吉御子神社
(よしみこじんじゃ)


近江国甲賀郡
滋賀県湖南市石部西1-15-1
(境内に駐車可)

■延喜式神名帳
石部鹿鹽上神社の論社

■旧社格
村社

■祭神
吉彦命
鹿葦津姫命
吉姫命
[配祀] 誉田別命 猿田彦命


「野洲川」の南岸、民家等の密集地内「石部東」に鎮座する社。一の鳥居は旧「東海道」に面しており、かつては栄えた様子が垣間見えます。
◎「石部西」に鎮座する当社と、「石部東」に鎮座する吉姫神社とは対になっているという見方もあります。
◎創建については社伝によると、崇神天皇六十八年に「石部山」に神が降り、垂仁天皇二年に宇加之彦の子が吉比古・吉比女の二神を黒の御前に祀ったとしています。「石部山」は背後の丘陵のことと思います。吉姫神社も同じ丘陵の中腹に鎮座しています。「黒の御前」の詳細は不明。
◎これは「倭姫命世記」に記される内容と整合性のあるもの。「(垂仁天皇)十八年 阿佐加の藤方片樋宮に遷坐し四年間奉斎す (中略) その地(宇礼志)を渡り坐す時に阿佐加の加多なる多気連等の祖 宇加乃日子の子 吉志比女 吉彦の二人が現れ参上した」とあります。
◎これとは別に、かつては「上田」という地に祀られていた社が焼失し再興されたが、その時に吉姫神社と当社に分けて祀ったというものも。これに関して吉姫神社を石部鹿鹽上神社(式内社)、当社を石部鹿鹽下神社とする考えもあります。詳細は吉姫神社の記事にて。
以上のように情報、意見がいくつかに分散状態で真相は闇の中。