金山神社 (熊野市金山町)


紀伊国牟婁郡
三重県熊野市金山町1517
(P無し、社前の少し広くなったスペースに停め置きました)

■祭神
金山彦命

伊弉冉命


海岸からわずかに3~4km、原生林に覆われ早くも幽玄といった趣を醸す熊野らしい社。境内は注連縄で囲われ、また磐座も多く座しており物々しい雰囲気に覆われています。
創建由緒等は伝わっていないようです。正徳二年(1712年)の棟札に「奉造立金山彦命御社」とあるのが最古の記録であるとのこと。立地から鑑みて北西方向背後の山を御神体山とみなしているのであろうと思います。「金山町」の範囲がその山から細長く当社まで続いているため。また社殿の配置からもそれが窺え、境内を貫流する渓流はその山からのものであろうかと。かつては山頂や中腹に鎮座していた可能性もありそうです。
ご祭神は上記棟札により、江戸時代には既に金山彦命を祀る社と認識されていたようです。背後の山は尾根違いで「大丹倉」に連なります。「丹」から鉄の採鉱が行われていたことが窺え、またこちらでは鍛冶神が祀られます。一大製鉄地帯であったものと。なおもう一柱の伊弉冉命は摂社の伊弉冉尊社ご祭神らしく、産土神であり、ご本殿横に祀られているようです。いわゆる配祀神かと思います。




こちらが境内を貫流する渓流。



奥がご本殿、手前が伊弉冉尊社。

御神体山と拝殿。冒頭写真はこの写真から色味や明るさ等を加工したものです。