池姫神社 (舞鶴市布敷)


丹後国加佐郡
京都府舞鶴市字布敷小字森田
(境内に駐車可)

■旧社格
村社

■祭神
市杵島比売神


西舞鶴を流れる「伊佐津川」の支流、「池内川」沿いに鎮座。「布敷(ぬのしき)」という長閑な農村地帯の社。
◎社伝によると、旧名は「千滝雨引神」といい、龍神伝承が残る雨乞いの社であるとされます。
龍蛇が奥谷に棲んでおり恐れていたために土地の人が手力男神に祈ったところ、素盞鳴雄神に祈るようにとの神託。滝水で身を清め祈ると龍蛇はいなくなったと。それで素盞鳴雄神と稲田媛之命を山の上に、市杵島比売神を滝の下に祀ったとされています。以降雨乞いの神となったようです。
なお持統天皇五年(690年)に両社とも洪水で流され、現社地に雨引の社として再建されたようです。
◎村人が祈ったとされる「滝」について「丹哥府志」は、「五老の滝」とし、当社から三四丁隔つとしています。当社より南東5kmほどの「字岸谷」の山中ではないかとされます(現地未確認)。「池内川」の源流があり、東隣の現地名は綾部市「五泉町」。
続けて、宮の傍らに大岩を据えて川の流れを塞き止め沼にしていたと。その沼に棲んでいたのが大蛇。ここでは磐別命が岩を開いて流れを通し大蛇を斬ったとしています。
岩を移動することで水量を調節していたのではないかと思います。そこに龍神伝承が起こり、手力男神手力男神や素盞鳴雄神、磐別命などが宛てられていったようです。
◎「舞鶴市史」は日尾池姫神社、城屋の雨引神社(未参拝)、当社、彌加宜神社(大森神社)、今田の倭文神社が、いずれも「上流域に必ず伝承に関する岩が存在する」という磐座信仰に基づく社であるとしています。
日尾池姫神社とは5km以上も離れ、流れる川も異なるものの、よく似た龍神伝承を持つため、村同士の関わりがあったように思います。







「池内川」