◆ 「倭姫命世記」 血汗涙砕身物語 (2.葦原中国平定)


前回の記事では、豊受大神と天照大神が幽契を結び、それぞれ月と日となり天下を照らそうと「言寿ぎ」をした…というところまで。

今回はその続きより。



◎葦原中国の平定

【大意】
天照大神の光が国々を照らし始めてから高天原に神として留まっている、皇親神漏岐命(スメムツカムロギノミコト)・神漏美命(カムロミヨミコト)の二神に八百万の神々を天の高市に集合させました。そして神々の神議により「大葦原の千五百秋の瑞穂国は、我が子孫の王たるべき国なり。安国と平らけく、我が皇御孫尊(スメミマノミコト)の天降りて知ろし食せ(おせ)」と言依せました。


【補足】
◎「八百万の神々を天の高市に集合」させたとありますが、その候補地を巡って活発に論争されています。
◎これは天岩戸神話で、岩戸に隠れてしまった天照大神にどう対処すべきか神議をしたのもこの場所。いわゆる「会議室」だったようです。
天高市神社が有力候補地として挙げられていますが、そもそも高天原という天上の世界なのでは?という意見も。
◎この説話はあくまで神話であり、この当時「高天原」は「高天山(金剛山)」であったため、天高市神社がこの場所であるとして創建されたのだと考えています。だから天香久山の「波波迦の木」で占ったり、すぐ近くに天太玉命神社が創建されたのであろうと考えています。

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【大意】
このように言依せ、国中に荒振る神たちを神祓えて平らけようとします。神議により皆が申すには「天穂日命がいい」と。そして天穂日命が遣わされますが、その後返信無し。次に遣わされた御子の健三熊命も父に従い返信無し。さらに遣わされた天稚彦は飛ぶ鳥の災いを受け亡くなりました。


【補足】
天穂日命五男三女神の一柱。出雲国造家の祖。いろいろと書きたい神ですが、この場においては伏せておきます。
天穂日命の次に遣わされた健三熊命は、天穂日命の御子。この神は紀のみで記には登場しません。

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【大意】
そこで天津神たちの進言により経津主命と武雷命が天降りました。二神は大己貴命とその子、事代主神を説得し、大己貴命が国造りのときに身につけた広矛を借り受け、螢火光る神や五月蝿い声で叫ぶ荒振る鬼神たちに、「神祓え」「神和め」を行いました。すると五月蝿く叫んだ磐根や
樹立(きねたち)、草の片葉まで静かになったので、「葦原中国はすべて既に祓え平定しました」と復命したのです。


【補足】
◎特に留意点など無く、記紀神話通り。
◎「神祓え」「神和め」という興味深い言葉が用いられています。字づらから意味は大体想像できるかと思います。



今回はここまで。
早く倭姫命に登場して頂きたいものですが、まだまだ先になりそう。

さいわいなのか…どうなのか…
雨天が多く、また出費削減のため、神社参拝数は激減しています。

ペースアップして記事を上げていきます。