賀茂斎院 歴代斎院 神霊社・相生社・雑太社他(賀茂御祖神社境内社)


紀伊国愛宕郡
京都市左京区下鴨泉川町59 
(賀茂御祖神社有料P有)

■祭神
[賀茂斎院 歴代斎院 神霊社] 有智子親王・三十五主神代斎王御神霊
[相生社] 産霊神
[雑太社] 神魂命 賀茂建角身命
[一言社] (東社)大国魂神 (西社)顕国魂神
[二言社] (南社)大国主神 (北社)大物主神
[三言社] (中社)大己貴神 (北社)志固男神 (南社)八千矛神


賀茂御祖神社の境内に鎮座する境内社をいくつか。境内社は38社、境外社は3社の全41社があるようです。

【賀茂斎院 歴代斎院 神霊社】
初代斎院 有智子親王から全斎院の神霊を祀る社。「流鏑馬」神事が行われる馬場の通り沿いに鎮座します。
平成上皇と嵯峨天皇が対立。平成上皇は平城京へ都を戻そうとしたところ、嵯峨天皇が王城守護である賀茂大神に、「阿礼少女(あれおとめ)」を奉仕させると宣ります。「薬子の変」(810年)にて嵯峨天皇が勝利すると、賀茂大神への約束通りに娘の有智子親王を奉仕させたと伝わります。

【相生社】
カモ県主の祖神 神魂命を祀る社。賀茂御祖神社楼門の南西方向すぐに鎮座。
「ムスビ」の神であることから、縁結びにご利益があるなどとのつまらない風説のせいで人気のある社となっています。
相殿に鴨社賀茂斎院御所鎮祭社、末社に愛宕社、古名 贄殿神・酒殿神・奈良殿神。「斎院御所鎮祭社」の位置については、下の雑太社の「鴨社神館」と同じ場所辺りと思われます。

【雑太社(さわたしゃ)】
瑞垣前に大きなラグビーボールを模した木彫りが据えられている社。賀茂斎院 歴代斎院 神霊社の南側、馬場の通り沿いに鎮座します。
「鴨社神館」御所内の「雑太」という字地にあった社(詳細は下部写真の案内板にて)。「鴨社神館」については多くの資料を調べましたが特定できていません。おそらく「下鴨本通り」(賀茂御祖神社のすぐ西側を南北に走る大通り)を中心に、東西は「賀茂川」から現社地までの間、南北は現在の西駐車場の入口辺りから「御蔭通り」までの間、この中のどこかにあったようです。
ラグビーボールは「魂のこもった玉」ということでしょうか。

【一言社・二言社・三言社(十二所社)】
中門内、拝殿前に干支ごとに並ぶ社。「賀茂御祖神社 下鴨神社のすべて」(賀茂御祖神社編)には非常に興味深いことを記されています。「古代は、言葉も数も信仰の対象であった。社殿の位置といい殿舎の空間がそれを示している。暦の二十八宿の宿は、星座のことである。社殿の配置、即ち、四方の一方向に七宿があり、その中の宿、十二宿を十二所とした。鴨氏は、独自の数字と暦と詞(ことば)をもち、それを信仰の対象としていた」と。カモ氏の信仰についてはあまりに奥が深く、また秘されていることもあるのだろうと思います。


賀茂斎院 歴代斎院 神霊社

相生社

相生社と南側の御神木。

以下3枚は雑太社。



三言社

建築中の社。おそらく失われていた社を再興させているのだろうと思います。


さざれ石