賀茂波爾神社
(かもはにじんじゃ)


山城国愛宕郡
京都市左京区高野上竹屋町36
(社務所の正面に寄せて1台だけ短時間なら停められそうです)

■延喜式神名帳
賀茂波爾神社の論社

■旧社格
村社

■祭神
波爾安比古命
波爾安比女命


賀茂御祖神社(下鴨神社)の境外摂社(第四位)。「高見川」の畔、賀茂御祖神社(下鴨神社)の500mほど上流に鎮座します。なお「高見川」と「賀茂川」が合流し「鴨川」に、賀茂御祖神社(下鴨神社)はその合流地点に鎮座します。通称「赤の宮」。
◎式内社 賀茂波爾神社に宛てられていますが、もう一社論社が挙げられており、賀茂別雷神社(上賀茂神社、記事未作成)の中門内に鎮座する土師尾社。
◎社名の「波爾」はもちろん「埴」のこと。神饌に奉る土器の製作に携わっていた氏族が奉斎した社と考えられます。西埿部氏(ニッチベノウジ)ではないかと。
賀茂御祖神社の氏人は全22氏族あるとされ、その一。「新撰姓氏録」には「山城国神別 天神 西埿部 鴨県主同祖 鴨建玉依彦之後也」とあります。つまり鴨氏一族。また「高見川」がかつて「埴川」と称されていたとも言われているようです。
◎ところが江戸初期の元禄期には既に廃滅していたとの古記録があり、その社地に勧請されたのが赤宮稲荷神社。こちらは現在、ご本殿の左側(向かって右側)に鎮座する権九郎稲荷神社として鎮座しているようです。
明治になり政府指令のもと現社名となり、賀茂御祖神社の境外摂社となっています。
◎俗称「赤の宮」については、勧請した稲荷社の鳥居の色を指しているというものと、「埴」の製造により川が赤く染まったというものの説があるようです。



こちらが権九郎稲荷神社。

「波爾井御神水」。古来よりこの湧き清水が御供水として用いられていたようです。現在もひっきりなしに汲みに来る人が後を絶ちません。