(出雲国 稲佐の濱)



【古事記神話】序文(~その2)



【読み下し文】
安河に議りて天下を平らけ 小濱に論ひて国土を清めき 是を以て番仁岐命は初めて高千嶺に降り 神倭天皇は秋津島に経歴した 川から出でた熊に化せられ 天劔を高倉に於いて得 尾の生えたのが徑を遮るも 大烏が吉野へ導いた 儛ひ列ねて賊を攘す 歌を聞きて仇を伏はしむ 即ち夢に覺りて神祇を敬ひたまひき 所以に賢后と称す 烟を望み而して黎元を撫でたまひき 今に聖帝と云ふ

【大意】
天安河で議論をしましたが、(稲佐の)小濱に(タケミカヅチ神)が降り立ち、天下を平け国土を清めました(大國主命に国譲りさせました)。これをもってホノニニギ神が高千穂に降臨、神倭(神武)天皇は秋津島で治世することとなりました。(それまでに神武天皇は)熊に襲われたり、高倉下神から天剣を得たり、尾の生えた賊に行く手を阻まれたりしたものの、八咫烏が吉野へ導いてくれたのです。舞うように賊を追い払い(兄磯城のことか)、歌を合図に敵(八十梟)をひれ伏させました。(崇神天皇は)夢に現れた神祇を敬ったので賢后と称されました。(仁徳天皇は)黎元(民家)から烟(煙)が立っているのを見てそれを慈しみました。それで聖帝と言われます。

【補足】
前回の記事は少々中途半端なところで終えたかな…とちょっと反省しております。ちょびちょびと小まめに区切ってやっていきます。
・今回もまだまだ概略的な記事に留まっているため、該当すると思われる天皇や人物名を付記しました。