大和国山邊郡
奈良県山添村大字大塩(「恵比須天・大黒天」境内)
(「鍋倉溪」Pより徒歩10~15分程度)


「磐座」信仰の名所である山添村の中核を成す「神野山」(こうのやま、標高618.8m)にあり、その中心である「鍋倉溪」の周辺に座す磐座の一つ。

「鍋倉溪」は東西に650mほどの長さで形成されており、この「竜王岩」は中程より下の方に座します。

恵比須天・大黒天の境内に座していますが、これはこの巨石が座すところに、とある僧侶が神社を建てたもの。

他の磐座を見る限り10~20体程度の大小の岩で構成されているため、こちらも元々は磐座群であったものと思います。

ところが破壊されてしまい2体(あるいは3体か)しか残されていません。また「竜王岩」以外の1体あるいは2体の岩は、動かされたものと見受けられます。

おそらく僧侶らが貴重な遺跡を破壊したのだろうと思います。したがって、当事の祭祀の様子を窺い知ることは不可能かと。



「イワクラ」 イワクラ(磐座)学会編著より。この図案は非常に明解で、いくつかのパンフにも散見されるので写真を撮り使用させて頂きました。




案内板は鍋倉溪を挟んだ反対側にあります。