三重神社
(みえじんじゃ)


丹後国與謝郡
京都府京丹後市大宮町三重133
(鳥居前に停めました)

■延喜式神名帳
三重神社の比定社

■祭神
豊宇賀能売命
[相殿] 建御名方命 軻遇槌命 奥津彦命 奥津姫命


京丹後市の東端、喉かな農村地帯に鎮座する社。旧「三重村」は律令制時代には與謝郡に属していたものの、中世には丹波郡に編入されています。
どうやら式内社 三重神社は所在不明となっていたらしく、三重村に鎮座していた三社を合祀された際に、当社を「三重神社」と改称し比定社としたようです。元々は「酒戸古神社」であり、南600~700mの「酒戸古」交差点付近であったとか。
この「酒戸古」とは「酒殿」のこととされ、酒殿神である豊宇賀能売命がご祭神。これは「倭姫命世記」に「酒殿神一座 和久産霊神之神子 豊宇賀能売命也云々 清酒善醸云々」とあることからの引用によるようです。なお延喜式神名帳では、宮中造酒司(みきのつかさ)には大宮売神社四座 酒殿神社二座(酒弥豆男神・酒弥豆女神)としています。この酒戸古神社が中世の戦乱により氏子は離散、境内は雑草に覆われていたとか。そして古老伝を頼りに字を宛てたようです。ちなみに明治には一旦「逆鉾神社」としたとされます。
相殿にみえる神々はいずれも合祀された諏訪神社と三谷神社のご祭神。また式内社 三重神社の論社として丹波郡の大屋神社も挙げられています。