春日神社 (桜井市戒重)
大和国十市郡
奈良県桜井市戒重557
(P無し、何度も参拝しているので歩道に乗り上げ短時間で済ませています)
■延喜式神名帳
他田坐天照御魂神社 大 月次相嘗新嘗 の論社
■旧社格
村社
■祭神
天児屋根命
武甕槌命
比売命
国道169号線沿い、桜井市街地内に窮屈に鎮座する小さな社。
◎当社は式内大社 他田坐天照御魂神社(おさだにますあまてるみたまじんじゃ)の論社。別に論社として桜井市太田に鎮座する他田坐天照御魂神社。また境内は敏達天皇の「訳語田 幸玉宮(おさだ さきたまのみや)」の伝承地でも。
◎当社が式内大社として候補に挙げられるのは、かつて「他田宮(長田宮)」と称されており、かつ「他田庄」であったこと、もう一つ敏達天皇「訳語田 幸玉宮」との関連から。
◎この宮に関しては「扶桑略記」(1094年以降)が不可解なことを記しています。「大和国十市郡磐余訳語田宮に都す 一云 百済大井宮 亦云 城上郡幸玉宮」と。このうち「百済大井宮」はまったく不明、占いによりそこから遷座させたとも。残る2点、「十市郡磐余」の「訳語田宮」というものと、「城上郡」の「幸玉宮」というものと2説あると。当社地は「磐余」ではないものの十市郡に属し、城上郡との境辺りと推定されています。往古は両郡にかかっていた可能性もあります。
◎創建については、当社を式内大社とするなら敏達天皇十一年(582年)に何らかの祭祀が行われたのであろうかと。そして後世に春日神が被さったものと思われます。
なお「訳語田宮」はその後、大津皇子の邸宅となっていたと伝わります。
*写真は2019年6月と2022年5月撮影のものとが混在しています。