奈具神社 (宮津市由良)


丹後国加佐郡
京都府宮津市由良宮ノ上3537-1
(境内に停められますがせり出した木枝で車は確実に傷付きます、伐採されて通り易い時もあるようです)

■延喜式神名帳
奈具神社の比定社

■旧社格
村社

■祭神
豊宇賀能賣命


「丹後由良」という、昭和の良き時代に栄えた民宿が居並ぶ長閑な集落、その外れの田畑の中に鎮座。背後は「丹後富士」とも称される秀麗な「由良岳」。由良神社とともに「由良岳」を神奈備山とした村であり社であろうと思います。
◎社名は「丹後国風土記」逸文による、「わが心奈具しくなれり」の「奈具しく(穏やかに)」を由来とするもの。境内、村全体の雰囲気的にもまさしく「奈具しい」印象。その風土記逸文には羽衣天女(豊宇賀能賣命)が悲しい経歴をたどり各地を放浪、ついに安寧の地を見つけたというもの(詳細は「京丹後の二つの羽衣伝説」の記事にて)。
◎その記事にもあるように同名社が竹野郡(現在の京丹後市)にも鎮座します。この羽衣天女伝承から察するに、豊宇賀能賣命が「奈具しく」鎮まったのは竹野郡の方かと思われます。ところが神名帳に記載されるのは「加佐郡」。つまり当社の方かと思われます。従って式内比定社は当社であり、同名社は論社とせざるを得ません。当社は竹野郡からの勧請とする説もありますが。
なお豊宇賀能賣命は豊受大神と同神とされています。

※写真は2010年9月、2011年9月、2020年12月撮影のものが混在しています。
※今回の改定は写真を多数追加したことによります。


2020年12月参拝時は、由良神社に駐車し20分ほど歩きました(村民の方の許可を得ています)。

2020年12月参拝時は、道にはみ出していた草木が刈り取られていました。これなら車を傷めることもないのですが…。












現在と豊宇賀能賣命が生きた時代と、そう大きくは変わらぬ風景かと思います。

右手が「由良岳」。

ご本殿背後の露出岩盤。御神体なのかもしれません。

市杵島姫を祀る境内社。