許麻神社
(こまじんじゃ)


河内国渋川郡
大阪府八尾市久宝寺5-4-8
(社前に駐車可)

■延喜式神名帳
許麻神社の比定社

■旧社格
郷社

■祭神
素盞嗚命
[配祀] 高麗王霊神 牛頭天王 許麻大神


近鉄久宝寺口駅とJR久宝寺駅との間、密集地内に鎮座する社。
由緒書には、「往古、このあたりは朝鮮の高麗からの渡来民族が各所に蟠居し、繁行した氏族が祖霊として祭祀した由緒をもって高麗(こま)と呼び慣わされていたことから社名になった」とあります。神名から高麗王霊神と許麻大神のいずれか、あるいは両神が奉斎された神になるのかと思われます。並立されているということは、常識的に異なる神なのでしょうか。
この高麗(または高句麗)は668年に唐・新羅連合軍により滅ぼされ、日本に大挙亡命してきたとみられています。※後の時代の高麗(こうらい)国とはまったく異なる国
狛氏、大狛氏、高麗氏等がそれに該当するようで、上記の由緒書にもあるように日本各所に散っています。武蔵国高麗郡(埼玉県日高市辺り)には大量の高麗人を住まわせたという記述もあり、高麗神社(未参拝)も鎮座します。河内国には大県郡(柏原市辺り)には大狛神社も。また錦織郡(河内長野市)の高向神社も可能性あり。
「新撰姓氏録」には全部で30以上の関連氏族があるようです。うち当社に関係するとみられるのは「河内国諸藩 大狛連 出自高麗国人伊利斯沙礼斯也」と「河内国諸藩 大狛連 出自高麗国溢土福貴王也」かと思います。もう一氏族みられますが、別地域のように思われるため、上記二氏族のうちいずれかと。
なお江戸時代までは牛頭天王を祀る社とされていたようで、それが現在の主祭神に継がれています。また当地名の「久宝寺」は当社の神宮寺であったもの。