大井神社 (鈴鹿市)


伊勢国鈴鹿郡
三重県鈴鹿市山辺町232
(北側にPらしきもの有)

■延喜式神名帳
大井神社 二座 の比定社

■旧社格
村社

■祭神
建速須佐之男命
[配祀] 大雀命 天照大神 御井神


万葉集「山の辺の御井を見がてり神風の伊勢少女ども相見つるかも」の「山の辺の御井」を、当地「山辺町」に、「御井」を「大井」に宛てて式内社 大井神社に比定される社。「三国地誌」や「式内社考証」など他の文献でも当社であるとみているようです。
小さな丘の頂に鎮座。近辺に山らしきものは見当たりません。開発されて無くなったのか、あるいは鬼太神社の丘陵を山とみなしての「山辺」ということでしょうか。鈴鹿川を挟み鬼太神社、川神社(未参拝)、そして当社の式内比定三社が一辺500mほどの正三角形で鎮座しています(三社ともにあくまで「比定」社)。井戸の精霊(あるいは木の精霊か)、川の神霊を祀る社、社名に「鬼」が付く社(鈴鹿川の「北」と捉える説が有力)と気になる要素が多く、この正三角形で囲まれた地は特別な霊地であったのかもしれません。
神名帳では二座、御井神を数えたとしてももう一座は不明。鬼太神社でも祀られる大雀命(仁徳天皇)が、何らかの鍵を握っているのかもしれません。
なお当社は明治の合祀令により川神社に合祀されていたものを、昭和の中頃に復社させたものです。



復社は氏子たちの悲願であったかと思います。現在は荒廃しかけ、シャッターも降りたままで参拝すらまともにできないという惨状。