丹生神社 (奈良市丹生町)


大和国添上郡
奈良市丹生町759
(確か県道172号線にPがあったか、もしくは停め置きできました)

■祭神

[相殿] 埴山姫命


「奈良市の隠れ里」とも言われる長閑な山里に鎮座する社。辺疆地であるがゆえに、稀有な風習や興味深い民話が残されているようです。
◎(創建由緒等については不明。現存する棟木から遡ることができるのは嘉吉二年(1442年)まで。弘法大師などという僧侶の足跡に建てられたとする伝承もあるようですが。
◎ご祭神は罔象女命。これは丹生川上神社 中社が丹生都比売が祀られる以前より、原始に水神を祀っていたのと同じ。
ところが社名・地名にもあるように、本来のご祭神は丹生都比売という可能性も有り、社伝においてもそう捉えています。当地にて「丹(水銀)」が採れたのであろうし、またその後追いで弘法大師とかいう僧侶が狙ったのであろうと思います。
◎当社に関する民話として「祭神は女神で、伊勢の神楽が大嫌いだから、獅子舞が大嫌いだから、獅子舞があると必ず雨が降る」といったものがあるようです。ここでいう「伊勢の神楽」とは「伊勢大神楽(伊勢太神楽)」のことを指しているかと思われ、これは伊勢の神宮に参拝できない人たちのために全国を行脚して回った芸能集団であると考えられています。獅子舞が舞われるのが特徴。これを嫌ったという理由は不明、「祭神は女神で」というだけでは意を成さず、個人的な趣向によるものなのでしょうか。「必ず雨が降る」という内容から、ご祭神が止雨(祈雨も含むか)を祈る対象と捉えられていたということが伺えます。
◎また興味深いものとして、当村には寺院が一切無く、明治の廃仏毀釈の波に乗り村を挙げて改宗したようです。伊勢の神楽といい、排他的で結束力が強い村であったことが垣間見えます。ご祭神を禁祭神としていることも、その一端かも。

*写真等の情報は2018年5月のものです。