古座神社


紀伊国牟婁郡
和歌山県東牟婁郡串本町古座347
(社前にギリギリに寄せて停め置きました)

■祭神
応神天皇
素盞嗚尊
底筒男命
中筒男命
表筒男命


古い集落内に溶け込んだ村の鎮守社といった雰囲気の社であるものの、当地周辺の多くの謎と歴史を秘めた社であるかと考えています。
◎「古座川」と言えば「河内(こうち)神社祭」が有名で、熊野速玉祭の「御船祭」と非常によく似たもの。速玉祭では速玉大社から出発する御幸船は、熊野川の小さな孤島「御船島」を周回します。それに対し古座川ではこちらも孤島「河内島」を周回します。
◎その「河内島」には河内大明神(河内神社)が鎮まっているとされ、「河内様(こおったま)」と地元では愛着を込めて呼ばれているようです。現在でも陸に遥拝所が設けられ崇められていますが、当社に遷座合祀されています。
◎また「河内祭」では、宵宮に河口から少し海に出たところに「九龍島」があり、明らかにこの島を意識した祭となっているそうです。「紀伊国続風土記」には「黒島」と記され、弁財天社があり龍神が祀られています。「河内祭」の起源は「九龍島」から「河内島」への神霊渡御ではないかと。「郷土史」は当社から「河内島」への渡御式ではないかとしていますが。この九龍島龍神も当社に合祀遷座されています。
◎「河内祭」は熊野水軍(中でも「古座水軍」)が源平合戦への出陣式を模したものとも、捕鯨を模したものともされますが、おそらくその起源は遥か上古からの川の神、龍神信仰に基づくものかと思われます。
◎当社は江戸時代には「若宮八幡神社」と称され、現在でも八幡さんで通っているとか。その源流は「龍姫神」にあり、神が座することから「神座」、それが転訛して「古座」になったと「紀伊国続風土記」は指摘しています。また河内大明神や「若宮龍王社(現在は境内社 綿津見神社)」などが合祀されてできたのが当社であるとも。


ご本殿は山の中腹または山頂にあるようで、許可なく立ち入りできないようです。

境内から「古座川」を。