☆夢淵
☆東の瀧 (ひむかしのたき) (改定)
大和国吉野郡
奈良県吉野郡東吉野村小1159
(駐車場の有る丹生川上神社 中社より200m足らず)
丹生川上神社 中社の社前を流れる「高見川」に「四郷川」と「日裏川」の3つの川が合流してできた、琥珀色の水が溜まるスポットが「夢淵」。
すぐ側の2本の水流がX字に交差する美しい瀧が「東の瀧」。
太古より神聖な地として信仰があったようです。
丹生川上神社 中社が鎮座、元社とされるところも近接。
神武天皇聖磧「丹生川上」顕彰碑もすぐ側に建てられるなど、一帯には史跡が集中。
もちろんこれらは関連のある史跡。
おそらくはこの「夢淵」こそが「丹生川上」信仰の始原地であろうと考えられています。
この「夢淵」に水神が天降り信仰が始まったと。これが後に丹生川上神社 中社の創建に至り、盛大に信仰されるようになったものとされます。
当地は神武東征において神話に記される「丹生川上」の推定地。
宇陀にまで進軍した神武軍が行く手をすべて阻まれます。
その打開策として、丹生川上の地で「天香山」の埴(土)で拵えた「天の平瓮」「天の手抉」80枚ずつと「厳瓮」(いずれも皿や土器など)で天神地祇を奉りました。
さらに「兎田川之朝原」で水沫状になっているところがあり、そこで「呪いの儀式」を行いました。
その後は連戦連勝、遂に大和を平定。
「兎田川之朝原」は榛原雨師に鎮座する丹生神社が有力な候補地。
この神武天皇が天神地祗を奉った神聖な地が「夢淵」であると考えられています。
神武天皇は宇陀まで進軍するも、また東吉野まで引き返しています。
15kmほどの険しい山道を遡ったことに。
ここはよっぽどの地であると考えたということが分かります。
琥珀色の清流に魅せられたのでしょうか。
もちろんすぐ側の「東の瀧」にも。
*写真は過去数年にわたり拝した時のものが混在しています。