大斎原
(おおゆのはら)


紀伊国牟婁郡
和歌山県田辺市本宮町本宮1
(P有、熊野本宮大社または熊野本宮会館のPを利用)

■延喜式神名帳
[摂末社合祀別社 底海神社] 海神社 三座 の比定社

[摂末社合祀別社 御戸開神社神社] 天手力男神社の論社


■祭神
熊野本宮大社のご祭神のうち「中4社」と「下4社」を祀る
中四社
[第五殿 禅児宮] 忍穂耳尊
[第六殿 聖宮] 瓊々杵尊
[第七殿 児宮] 彦火火出見尊
[第八殿 子守宮] 鵜葺草葺不合命
下四社
[第九殿 一万・十万] 軻遇突智命
[第十殿 米持金剛] 埴山姫命
[第十一殿 飛行夜叉] 弥都波能売命
[第十二殿 勧請十五所] 稚産霊命
*摂末社合祀別社は本文下部にて


熊野本宮大社の旧社地。
◎明治に起こった大洪水で流されてしまい、高台にある現社地に遷座されました。非常に残念な歴史ではあるものの、熊野らしいとも言えるかと。また今もなお現社地以上とも思えるほどの、信仰の篤さが窺えることが重要なことかと思います。
◎現在はすべてのご祭神のうち、中4社と下4社の神々が祀られています。上4社の神霊もここに鎮まっていると考えるのが、この信仰の篤さに繋がっているのかと思います。
◎紀伊半島は日本国土最大の半島で、そのほとんどが山。平野部はごくわずか、奥深い山々から一気に流れ出す川水が、たびたび洪水を引き起こします。すでに上流から転がり落ちて来た巨石が溜まり、その急流をダムのように塞き止めています。その巨石群が織り成す神秘の世界は信仰の対象に。ところがその巨石群の許容を越える時に大洪水が起こり、熊野の歴史は塗り替えられます。そのもっとも近年に起こった歴史の塗り替えが、この「大斎原」。
◎奥深い熊野の中でも巨石群による塞き止めが非常に強力であり、ついに中洲までが出来上がりました。そこへ家津美御子大神の神霊を遷し祀ったのですが、その地は悠久の安堵地になろうと考えられたのかもしれません。

【摂末社合祀社一覧】
◎別社
*底海神社 … 底津綿津見命 中津綿津見命 上津綿津見命
*御戸開神社 … 天手力神
◎摂社
*瀧姫神社 … 瀬織姫命(湍津姫命)
*市杵島神社 … 市杵島姫命
*八咫烏社 … 武角見命
*高倉下神社(地主社) … 高倉下命 穂屋姫命
*大国主神社 … 大国主命
*須勢理姫神社 … 須勢理姫命
◎末社
*祓戸天神社 … 天児屋根命
*音無天神社 … 少彦名命
*素戔嗚社 … 素戔嗚尊(牛頭天王)
*天神社 … 菅丞相
*水戸社 … 罔象女

*写真は過去数年に渡る参拝時のものが混在しています。









現在ここから先は撮影禁止。


まだ写真撮影が禁止ではなかった頃に撮った写真(20年以上前に撮影したと思います)

熊野坐大神(家津美御子大神)は水神であるという考えも。


かつての禊場であったように思います。












*誤字・脱字・誤記等無きよう努めますが、もし発見されました際はご指摘頂けますとさいわいです。