大年神社(和歌山市梅原)


紀伊国名草郡
和歌山市梅原403
(境内に駐車可)

■祭神
[配祀] 市杵島姫命 大国主命 建御名方命 言代主命 八坂刀賣命


孝子峠と呼ばれる、紀淡海峡へ西に突き出た加太地区の山系があり、その麓に鎮座する社。
◎創建由緒等に関してはまったく伝わっておらず不明。慶長年間(1596~1615年)に再興されたようです。
◎境内に大岩(岩神)が座しており、当時流行していた眼の疫病に対して効験があったとか。この大岩には海濤喰の跡が残り、少なくとも10世紀までは当地が「紀ノ川」河口であったことが分かっています。当時の地名の「貴志荘」は「岸」のことであったと考えられます。
この大岩を中心に祭祀が行われていたところに、大年大神をどこからか勧請してきたのでしょうか。
◎地元では神功皇后の行宮跡と伝わっているようですが、「紀伊続風土記」はこれを疑わしいとして否定しています。
◎江戸時代には和歌山城の北西にあたることから、「乾の宮」として徳川家から厚く崇敬されたようです。

*写真は2015年頃、2017年3月頃、2024年3月撮影のものとが混在しています。


一の鳥居

背後は「宮山」。低山ながらも美しい三角錐の山容は、神奈備山であったと思われます。

二の鳥居





合祀された境内社からご本殿を。


境内社 池上神社と背後の大岩

大岩(岩神)

大岩を背後より。



境内社 秋葉神社・諏訪神社・妙見神社・九頭神社・八幡神社・若宮八幡神社

手描きの薄紅色の矢印が、おおよその古代「紀ノ川」の流路。