意波閇神社 (長浜市余呉町)
(おはへじんじゃ)


近江国伊香郡
滋賀県長浜市余呉町坂口290
(P無し、社前歩道帯がかなり広いのでそこに停めるか)

■延喜式神名帳
意波閇神社の比定社

■旧社格
村社

■祭神
大鷦鷯命


湖北湖東から越前国へ抜ける道沿いに鎮座する社。現在の国道365号線。「伊吹山」から四日市まで続いており、旧跡などから製鉄鍛冶氏族などが古代より活用していたことと思います。
◎当社は「オバセの森」そのものを御神体とするかと思われる社。「平野の森」「おはへの森」などとも。手の入らない神聖な地として崇められてきたようです。
賤ヶ岳の合戦により社殿、古記録とも悉く焼失し創建由緒等は不明。ご祭神は大鷦鷯命(仁徳天皇)とされます。同じ長浜市の高月町西阿閇に同名社が鎮座し、そちらは式内論社。ご祭神は宇迦魂神で、「おわい(おはへ)」は「大饗(おわい)」からきているもの、つまり食の神であるとしています。当社も原初はそうだったのか、あるいは山神等を祀っていたのか、埴安姫という説も。そこに大鷦鷯命が被さったかと思います。
◎大鷦鷯命については当地周辺での痕跡は見当たりません。後裔氏族が当地に移住したのでしょうか。あるいは異母弟の稚野毛二派皇子(ワカヌケノフタマタノミコ)が当地周辺を拠点としたようで、御子神の意富富杼王(オホホドノオオキミ)が鹽津神社の創建を命じたり、孫神の男大迹王(ヲホドノオオキミ、後の継体天皇)がいます。もしそれらと関連するなら息長氏系と考えられ、新羅系の神社、製鉄鍛治など推測の幅が広がります。

*写真は2018年9月と2021年3月撮影のものとが混在しています。



境内は広大な樹叢に包まれています。







2018年夏の大型台風による倒木。