三輪神社 (香芝市田尻)


大和国葛下郡
奈良県香芝市田尻
(麓の観音寺Pを利用可)

■旧社格
村社

■祭神
大己貴命


大神神社より勧請してきたとされる社。現在のご本殿は明治20年に建てられたもので、それまでは山をご神体とする社だったようです。その山は名阪国道建設のために削られてしまったと考えられています。
創建時期や由緒は不明、観音寺の鎮守社または観音寺が神宮寺だったのでしょうか。
当社を探る際に以下の3点がポイントとなるでしょうか。まず一つ目はご本殿が二上山と正対していること。明治に建てられたご本殿とは言え、何らかの伝承を元にこういった建て方をしたかと思います。また当社宮司(過去の宮司かも)が、二上神社の損傷の際に援助をしたという感謝状が拝殿に掲げられています。
二つ目は、東の大神神社に対して西の当社。奈良盆地の東西の端に鎮座しており、当社は大坂へと抜ける要衝地にあります。これは東の墨坂神社に対しての西の大坂山口神社という配置の仕方に似たもの。陰陽道に通じるものがあるのでしょうか。
三つ目は、当社から三輪山山頂を結びそのまま延長させると、皇大神宮に。これは偶然ではなく、敢えてこの地を選んだものと思います。つまり「日祀り」が行われていた聖地だったのではないかと考えられるのです。
当社の管理は観音寺がしているのか、それとも管理自体がなされていないのか。境内は非常に荒廃しており、残念で仕方ありません。



当社は右の小径へ、真ん中ののぼりの立つ道は観音寺、左は駐車場へ。




境内の荒廃は目を覆いたくなるほど。


二上山を望む。