■表記
書紀では啼澤女命、古事記では泣沢女神や哭沢女神と表記されています。


■概要
イザナミ神がカグツチ神を産んだ際に、女陰を焼かれて亡くなります。妻を亡くしたイザナギ神は大いに嘆き悲しみイザナミの周りで涙を流します。その涙が沢となり化生したのがナキサワメ神、女神です。
涙が神と人とを繋ぐ媒介となったのでしょうか。つまり巫女であると。韓国には「泣き女」という職業の女性がおり、葬式の際に涙を流す役割を担います。古代日本にもそのような風習があったのかもしれません。記紀では雉が哭女として表れていますが。死者を弔うという意味だけではなく、「魂振り」つまり再生を願う意味合いもあったようです。
万葉集に以下の歌が載せられています。「泣沢の神社に神酒すゑ 祷祈れども わご大君は高日知らしぬ」─泣沢神社の女神に神酒を捧げて大君が蘇るようにと祈ったのに、大君は遂に天を治めになられた(崩御された)。
このことからも再生の意味合いがあったことは明らか。


■祀られる神社(天地悠久参拝済み社のみ)
轟神社(大山祇神社 境外末社)



畝尾都多本神社より