春日神社 (石上神社)


大和国添下郡
奈良県天理市二階堂北菅田町123-1
(西隣の寺と共有のP有、ただし非常に入口が狭く全面道路も狭いので要注意)

■旧社格
村社

■祭神
天児屋根命


「佐保川」の東岸、「大和川」の北岸と両川に挟まれた低湿地帯。「二階堂北菅田町」の集落内、「菅田池」南西畔に鎮座する社。
◎春日神社でありながら石上神社(いしがみじんじゃ)とも称され、ご本殿は並立。しかも石灯籠には「弁天社」とも刻まれます。さらに「式内社 菅田比賣神社」ではないかと考えている社。
◎石灯籠に並立して記される「春日」と「弁天」の文字の並びから右殿(向かって左)が弁天(市杵島姫神)を祀る厳島社、左殿が天児屋根命を祀る春日社であると思われます。
◎春日神は春日大社からの勧請、当初は市杵島姫神を祀る神社だったのかもしれません。そして元々は市杵島姫神ではなく菅田比賣であったのかもしれません。いつの間にか神名が分からなくなり、池の畔にある社ということで市杵島姫に変わってしまったのでしょうか。石上神社に関しては不明。かつては磐座でも座していたのかもしれません。
◎当社こそが「式内社 菅田比賣神社」の後継社ではないかと考えています。「式内社 菅田比賣神社」は所在不明となっていました。比定をめぐり「信田宮」と呼ばれていた社(現在の菅田比賣神社)をやや強引に宛てたもの。筒井町という「菅田村」からは大きくかけ離れた地に鎮座します。
◎おそらく対になると思われる、「式内社 菅田神社」(現在の菅田神社、北北西700~800m)には以下の説話が伝わります。
「昔、美しい女神が天理市二階堂の菅田池から現れ、大和郡山市八条町の神楽田の所でしばらく休んでから、西の方へ行って鎮座した。すると、そこが一夜にして鬱蒼とした松林になったので、誰云うことなく、その土地を一夜松と呼び、今、一夜松天神・八条天神社と呼ばれる菅田神社が鎮座する」と。
◎「大和郡山市八条町」は菅田神社が鎮座する地。「神楽田」は現在の一の鳥居が立つ、社殿からは東300mほどの辺りではないかと考えています。そして「松林」は現社地。すべて辻褄が合います。
◎そして女神というのは菅田比賣のこと。これは菅田神社の菅田比古神とのいわゆる「ヒコ・ヒメ」、対になるものと考えています。
菅田比賣神社では以下の説が挙げられています。
*伊豆能賣神(詳細は菅田比賣神社にて)
*天鈿女命
菅田神社ではご祭神を天目一箇神としているため、その妻神とする説。具体的な神名は文献等には出てきていません。

*写真は2018年6月撮影のものです。