天神社 (大和高田市)


大和国葛下郡
奈良県大和高田市三和町2-15
(境内に駐車可)

■旧社格
郷社

■祭神
高皇産霊神
神皇産霊神
津速産霊神


JR高田駅前鎮座する社。密集地にあるにもかかわらず広い参道と境内を誇っています。
◎造化三神の高皇産霊神と神皇産霊神、そしてあまり多くは見られない津速産霊神を祀っています。記紀には登場せず、「古語拾遺」に登場する神で高皇産霊神の次男とされています。社伝では天児屋根神の祖父神であると。
◎真実を記していることが多いと考えている「古語拾遺」に記され、藤原氏に都合がいいように脚色されていると考えている記紀に記されていないという事実。しかも藤原氏の祖神である天児屋根神に繋がる神が。記すことのできない事情があったのではないかという疑いを持ちます。ちなみに「新撰姓氏録」では津速産霊神の曾孫が天児屋根神となっています。
◎創建は室町時代の初め頃かと思われます。社伝では崇神天皇の御代としていますが、確実なものは1222年の棟木銘。当地へ赴任した當麻氏が造営したとも言われています。現在でも當麻氏と言えば当地では名家として通っています。かつては當麻村(現在の「葛城市当麻」)が本拠地。中世の頃に当地へ移住したとされます(平田春日神社の記事参照)。
◎「古語拾遺」に記される神が祀られているということで、創建前には忌部氏が祀る社だったのかもしれません。また少々気になることがあるのですが、それはこちらの保食神社の記事にて。

*写真は2018年6月と2021年5月撮影のものとが混在しています。