葛神社 (榛原山辺三)


大和国宇陀郡
奈良県宇陀市榛原山辺三1145-1
(P無し、鳥居前の通路のような道路に反対側へギリギリ寄せるしか方法無しか、ただしご近所の邪魔になるのでなるべく足早に)

■祭神
天照大神


「初瀬街道」沿い、篠畑神社の西方500m足らずの地に鎮座している社。
◎天照大神の神霊が篠畑神社(元伊勢「佐々波多宮)」に遷された際に、豊耜入姫命と倭姫命の二柱を篠畑神社の摂社として祀ったのが創建由緒とされています。現在のご祭神になったのは、その後の誤りから生じたものとか。
◎これは古老の口伝によるものですが、矛盾点があります。天照大神の神霊が当地に遷されたのは垂仁天皇二十五年のこと。豊耜入姫命も倭姫命も存命中、神として祀られることはあり得ません。また奉戴する立場の者が祀られることもあり得ません。ずっと後世のことならともかくも。いずれにしてもこの創建伝承により元伊勢候補地の一つとなっています。
◎江戸末期に前代未聞の大雨があり社殿すべてが流されたようです。現社地で再興する際に「九頭大明神社」と書かれた棟札が見つかったらしく、原初の姿が浮かび上がりました。だから社名も葛(「九頭」の転訛)神社であるというわけです。現在は境内社の垣内磐座神社にて祀られています。
したがって当社の歩みは、磐座信仰(九頭龍神)から始まり、そこに豊耜入姫命と倭姫命が被さり、さらに天照大神と間違えられたと結論付けられるのではないでしょうか。
◎現社地も非常に神寂びた雰囲気を残し、往古からここで祀られていたとしても何ら遜色のない古社です。






瑞垣内の磐座神社。陽石のように見受けられます。


美しい宮川。


川原には磐座のようなものが座しています。