御塩殿神社

伊勢国度会郡
三重県伊勢市二見町
(P無し、鳥居西側に寄せて路駐か)

■神宮125社
皇大神宮所管社

■祭神
御塩殿鎮守神

神宮の神饌として神事に使われる「堅塩」を作る施設があり、それらを守護する神社。御領地ということで神服織機殿神社神麻続機殿神社と同様、神宮側としては必ずしも一般の参拝を快くは受け入れてはいないようです。
当社から1kmほど西に「御塩浜」という塩田があります。天日干しして塩分濃度を高められたものが境内の「御塩汲入所」に運び込まれます。そして「御塩焼所」にて煮詰められ「御塩殿」にて焼き固められます。またそれを保管するのが「御塩御倉」。
境内には社殿の他に上記4棟がありますが、鳥居が設けられもっとも大きな建物が焼き固め作業を行う「御塩殿」。忌火が用いられるなどもっとも重要視されているのが分かります。神事ととらえてもいいのかもしれません。
創祀時期や由緒は不明ですが、延暦儀式帳(804年)には御塩殿と御塩焼殿のことが記されており、ここまでは遡ることができます。
皇大神宮(内宮)所管社ですが、堅塩は外宮にも使われています。歴史をたどると元々は外宮の神領でした。天照大神に神饌を奉るための外宮であることからすると自然なこと。
ところが少々複雑なのは倭姫世紀にある堅田神社に関する内容。倭姫命が当地を巡行し国津神である佐見都比売命より堅塩を奉じられ創建に至ったことが記されています。皇大神宮の摂社でもあります。当社からは東南東わずか600mほど。辻褄だけを合わせるのなら、豊受大神を丹波から招き外宮を創建する前のこと。
中世には武家の所領となりましたが江戸時代に無事復領します。ところが明治の上知令は御塩殿も例外ではありませんでした。没収される事態となり、他所から買い入れた塩を当社で堅塩にしていました。その後土地(御塩浜)を購入し現在に至っています。



こちらは社殿ではなく御塩殿。焼き固める作業が行われています。